女好き男と男好き女〔森山由孝〕

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1日の授業を済ませ、放課後に突入する。
机の中やロッカーの中を確認して、教材を全て鞄の中に詰め込む。
朝森山から貰った花も、森山からは見えないように鞄の中へと入れた。

森山「咲谷ちゃん、今日暇？」
瞳「生憎様。今日も用事が有るの。」
森山「そっかー。じゃあまた明日ね。俺はバスケ部に行って来る！！」
瞳「はいはい。」

何時もと同じような掛け合いを森山とし、席を立つ。
それから“いつもの場所”へと向かうのだった。

・

誰もいないことを確認してから、目の前のドアを小さくノックする。
それから数分かしても本人は返事すらしなかったため、そのままドアを開ける。

瞳「せんせー？？」
電気はかろうじて付いている物の、カーテンが閉められていて暗い教室を覗けば、
呼び出したご本人は椅子に座って眠り込んでいた。それに苦笑してそっと揺らす。

先生「・・・んっ。ああ、咲谷。」
瞳「おはよう先生。呼んだのは先生なのに、何で寝てるのかなー？」

ニコリと笑って、先生の隣の席に座る。先生はそれをただ見ているだけ。
それから小さく“すまない。”と呟かれた。

瞳「嘘。ぜんぜん怒ってない。ほら、おいで？」
手を先生に向けて広げると、そのまま抱きしめられる。
それから頭を打ち付けないようにか、ゆっくりと押し倒された。

熱をはらんだ声で呟かれたのは、私の名前ではなく、別の名前。
確かこの人の場合、初恋の人の名前だったはずだ。
私はその人を真似て、何時もとは違う話しかたで笑う。

目の前の先生が獣のように私を貪っていく。
そして私は熱に身体を委ね、ゆっくりと目を閉じるのだった。

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