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靴箱へ行き、靴を引っつかんで叩きつけるように靴を置く。
そして走って走って走って走って、公園のトイレへと駆け込んだ。
そこで急いで着替えるとスーパーへと寄って買い物をする。
そこからは熱を冷ますために歩きながら家へと帰るのだった。
・
瞳「・・・・。」
玄関の前で深呼吸をして、玄関の扉をあける。玄関には1人の男性が座っていた。
そして私が入ってきたことに気づいたのか、勢いよく身体を起こす。
それと同時にかけていた眼鏡がずり落ちた。それを目の前にしゃがんで直す。
瞳「風春さん。どうしたの、こんなところで。」
風春「伊吹・・・何処に行ってたんだ・・・。」
瞳「ごめんなさい。スーパーに行ってたの。今日貴方が帰ってくるような気がしてね。
合ってて良かった。もし間違ってたら貴方の好きなお刺身痛んでいただろうし。
ほーら。立って。冷蔵庫に入れてこなくちゃ。」
風春「何だ良かった・・・。」
瞳「心配かけちゃったね。疲れたでしょ。一度寝ましょう?」
風春「・・・ああ。」
そっと抱き上げられたために、微笑みながらその首に腕を巻きつける。
私はちゃんと母に。伊吹になれていたみたいだ。
“愛してる”と呟かれ、それにキスして返す。父は笑ったようだった。
・
ベッドに横たわされたために、目を閉じる。
そのまま降って来るキスの雨に目をあければ、優しげな父の目とあった。
母の名前をうわ言の様に繰り返す父は、
心の中では母がいなくなったことに気づいているのかもしれない。
母がタヒぬ前はこんなにも依存していなかったはずだから。
私が壊してしまったのだ。優しい父を。大好きな父を。
風春「愛してる。愛してるんだ伊吹。」
瞳「私もですよ。風春さん。私も愛してます。」
だから私は父を騙し続けるのだ。偽りでもいいから愛してくれる父を保つために。
弱い娘でごめんなさい。間違いを正せない娘でごめんなさい。
私を抱きしめながら寝てしまった父の頭を優しく撫でる。
私の頬に涙が一粒零れ落ちていくのだった。
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柊 バレエとノブくん大好き(*;ω;*) - 風邪!!大丈夫ですか??おっお大事に…。早く元気にな〜れ〜! (2015年9月29日 20時) (レス) id: dd27d058c3 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - 柊 バレエとノブくん大好き(*;ω;*)さん» マジですか!?まぁしばらく父親は出れないと思います。父親とのデートは需要がないと思って考えていなかったのですが、いりますかね?更新がんばりますね! (2015年9月25日 18時) (レス) id: 86d9865710 (このIDを非表示/違反報告)
柊 バレエとノブくん大好き(*;ω;*) - てか主人公ちゃんと主人公ちゃんのお父様がデートしている所を写真とりたい(真顔)← ヤバイ。主人公ちゃんチラ見とか可愛すぎ← …。更新応援しますー! (2015年9月25日 0時) (レス) id: dd27d058c3 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮(プロフ) - 柊 バレエ大好き(・д・。)チラッさん» 海常の話し方をあまり理解できてないのでそういう風に言っていただけると嬉しいです!もう少し主人公ちゃんと絡ませられるようにしたいなーと思ってます(`・ω・´) (2015年8月24日 22時) (レス) id: 26b8097f23 (このIDを非表示/違反報告)
柊 バレエ大好き(・д・。)チラッ - 花蓮さん» おーやっぱイケメソなんですね(´∀`*) てか森山さんめっさカッコイイ ただのイケメソ(笑) 笠松さんのウブな所もかわいい← (2015年8月24日 9時) (レス) id: 57a0374e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蓮 | 作成日時:2015年7月11日 20時