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小さく息を吸って、それを吐くのと同時にインターフォンを押した。
鍵の開く音の後に扉の隙間から顔を覗かせた彼、銀ちゃんは私を見ては気まずそうに顔を背けてしまう。
そんな彼の前に私はラッピングしてあるカップケーキを突き出す。
『……なに、これ』
『カップケーキなんだけど……』
さすがにそれすら分からないほどヘタクソだったかと思い確認するも、私の目には一応カップケーキに見えているのだ。
銀ちゃんは「そうじゃなくて」と私の行動を遮って「高杉」と晋ちゃんの名前を出した。
『それ、高杉にあげたんじゃないの?』
『あげてないけど?』
そもそもどうしてあげたと思ったのか。それを聞きたくて小首を傾げるが、彼は頭を掻いては誤魔化すように視線を横に外す。
『……まあいいや、とりあえず受け取ってよ』
「銀ちゃんにあげようと思って持って来た」……そう伝えると、彼は私の手からおずおずとカップケーキを受け取る。
まだ納得してない様子ではあるものの、「帰るね」と言って踵を返した。
『送ってく』
『いいよ、別に。――それじゃあ』
部屋を出ようとした銀ちゃんを差し置き、私は軽く手を振るう。しかし忘れ物をしたように振り向いて、「ありがとね」と一番伝えたかったことを彼に伝える。
なんのことかサッパリ分かっていない銀ちゃんにクスりと笑いが漏れてしまい、私はそのまま家路を歩き出した。
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ハル(プロフ) - りんごあめさん» りんごあめさん! またまたコメントありがとうございます!! そうなんですよ、高杉にフラれるんです。もう涙なしではかけませんでした笑 今度は高杉をカッコよく書く作品出したいなあとは思ってますので、その時も閲覧よろしくお願いしますね! ありがとうございました (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 音想さん» 切なすぎて銀さんがー……と私自身思っていたのですが、最後は無事にハッピーエンドを迎えました! 大好物でしたか! それは嬉しいです( ´ ∀`) これからもどうかよろしくお願いします! コメントありがとうございました! (2017年10月27日 21時) (レス) id: 580f86dcac (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 本当に、ハルさんの作品は何を読んでも最高です!面白いだけじゃなくて、なんかその話にのめり込めます笑 私も高杉が大好きなので、振られるなんて…(;´Д`)ウウッ……と思いましたが、銀さんのかっこよさがヤバかったです!!とにかく、本当に良かったです! (2017年10月19日 0時) (レス) id: 7662a2da74 (このIDを非表示/違反報告)
音想(プロフ) - 切なすぎて尊すぎて死にそうでした…こういうの大好物です。凄い好きだー!!こんな素敵な作品を読ませていただきありがとうございました!これからの作品も楽しみにしています! (2017年10月18日 1時) (レス) id: 7258d80b20 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - あかあしえいたくんさん» そうなんです笑 最後の銀さんかもしれません笑 信者!? 私にも信者がいるなんて……! あかあしさんは私の信者のオンリーワンですね笑 ありがとうございます! その言葉を励みにこれからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくどうぞ( ´ ∀`) (2017年10月12日 16時) (レス) id: 728b0d0f83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年10月10日 18時