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ありがとう ページ25

悪女こと線乃実は笑ってこの世界から消えた。


隣に立つしのぶも、後ろでずっと見ていた竈門君達も


今起こったことを理解しきれていない。



しのぶは俯いて何かを堪えている様だった。






?「おい。A。」


声をかけてきたのは義勇だった。


A「義勇!!あの子たちは!?」



水「大丈夫だ。二人とも台所に居る。」


A「二人を呼んできて。」


水「ああ。」


しのぶが突然歩き出した。


A「胡蝶さん!!どうしたんですか!!!」

し「帰ります。蝶屋敷へ。


妹たちと一緒に居なくては。少しでもみんなで居たいので。

それに・・・・・・・・・・・・。

あの子たちの姉はもう。私しかいないので。


竈門君、我妻君、嘴平君、不死川さん。一緒に来てください。」



竈門「ぇ?は、はいっ!!」

我妻、嘴平「・・・・・」

風「あァ。(じゃあな。鱗滝。お幸せにな。)」



A「はい?何か言いました?

・・・・・
不死川さん?」

風「何の事だァ?」


し「では。私達はこれで。」


A「ありがとうございました。数多の幸せが皆様の御身に降りる事をお祈りしております。」



バタン


扉が閉まり中には私達家族だけが残る。


荒れた中庭を横目で見ながら愛する家族を探す。



義勇の自室に3人はいた。


義正「母様!ご無事で。」


義勇「良かった。」


紫雨「それで母様?私達に話があるんですよね?」


A「ええ。昔話ね。


さほど昔でもない5年位前の話ね。

私はその時、鬼殺隊の最高位・柱の一人だった。


ある秋の日。その日は季節外れの寒さで雪が舞い始めていたわ。

その日も私は鬼を狩っていた。

義勇と一緒に。

その日の任務の場所はと鬼が沢山住むと言われている山の麓にある村だった。

山と村との境には鬼に人を差し出すために建てられた社があった。

半年に一度、村の人々は生贄を差し出して生きていたの。

その村では其の頃、作物がうまく育たなくて餓死する人も居たそうよ。

凶作のせいで人々はやせ細り、いくら人間を差し出しても鬼は満足しなかった。


だから鬼は毎夜毎夜、村へ降りていて村人を貪っていた。


村長から依頼があって私達が行くことになった。

その日。村長の愛してやまない生まれたばかりの娘が生贄として差し出されることが決まっていた。

村長はどうにかしてそれを防ぎたくて私達を呼んだ。

村長にはその娘と当時4歳の跡取り息子、二人の母ではない後妻がいた。」

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作者名:玉葉 | 作成日時:2021年8月25日 18時

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