薔薇色生徒会

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1 Rose ページ1

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『うわ……すごい……』

目の前に広がるカラフルな薔薇の数々。

一体何本あるのやら…

赤や白だけでなく、青、紫、緑、橙、ピンク…

珍しい色まで揃っていて、
まるで薔薇園に迷いこんだよう

この美しい薔薇にかこまれている、中央に校舎が3つほど立ち並ぶここ

私立名門薔薇(ローズ)学園に転校することになった私、大西A。

関西から上京にしてきたわけだけれど
理由は両親の交通事故による死。

すごく悲しくて2つ下の弟と東京に住んでいる親切なお金持ちの親戚の人に家をかり、弟と住むことになった。

季節は春。

新学期が始まる時期で手続きもいろいろとあったけれど編入するにはちょうど良かった。

＿＿で、今日から通う学校がここ。

ムダにでかくていかにもお金持ちの高校って感じで
校舎も新しそうにきれい。庭もあってそこに噴水もある。

さすが。

親戚の人が入らせてくれたけど、元平々凡々な
私がはたして入っても大丈夫なのだろうか。

丁度ここに通うっている友人の紹介もあってだけど。

入り口の薔薇のアーチをくぐりぬければ
ふわっと香るローズの香り。

『いい匂い』

そっと近くの薔薇に近づく。

どの薔薇の色より、この色のほうが一番綺麗だな…

すっとその薔薇に触れようとした時

「危ないよ」

パシッと掴まれた腕。

『あ…ごめんなさい』

声の主をみれば誰もがみとれる美少年。
すうっと透き通った瞳に吸い込まれそう。

「どんなに美しくても必ずトゲがあるから…」

ニコッと笑った彼は薔薇のことをいっているのか、それとも別のことをいっているのか、わからなかった。

「A～！！」

『萌！』

遠くに見える私の友達の田中萌。
早くー！、なんて私を呼ぶ。

ふと彼にお礼を言わなきゃと思い、
彼をみれば＿＿

「え、いない…」

さっきまで隣にいたはずなのに、彼は美しくトゲのある薔薇だけを残して消えた。

名前、きいてなかった。

また、どこかで会えるかな

私は萌の元へ走った

掴まれた腕に彼の余韻を残して

この時まさか、さっきの願いがすぐに叶うなんて思ってもなかったんだ。

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