【青エク】魔神の娘のはずなのに悪魔の孫になりました【魔入間】 (ページ10)

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悪魔は人の心に棲む-その9- ページ10

床一面に広がる大きな門に驚愕するAはその場に座り込む

ｻﾀ「さぁ行こうぜ
“フォスフォラス”」

『フォスフォラス…？』

ｻﾀ「悪魔としてのお前の名前だ
オレサマがわざわざ考えてやったんだぜ
良いだろう？なぁ？」

『違う！！私はAだ
悪魔じゃない！！違う！！』

ｻﾀ「ビービービー泣くんじゃねえよ
赤ちゃんか？まぁもうすぐ生まれ変わるんだからそんなもんか？
どうでもいいか、さてと行こうぜ虚無界(ゲヘナ)へ」

『いや！行きたくない！誰か！！誰か助けて！！！！！』

ｻﾀ「はいはい話なら後で聞いてやるから
おっと剣(こいつ)も破壊しねぇとな
お前をこのクソ忌々しい呪縛から解き放ってやる」

そう言って座り込んだ際に落とした剣を拾い上げて座り込むAを掴むと虚無界の門(ゲヘナゲート)のある方へと引きずる

『いや！いや！放して！！』

ｻﾀ「早く悪魔としての本性を取り戻せ」

『違う！私は人間だ！！悪魔じゃない！！やだ！雪男！お父さん！』

ｻﾀ「パパはオレだっての！
つーかオレはあらゆる力を統べた完璧な存在なんだぜ？
そんなオレでもいっこだけ欠点がある
なんだかわかるか？それはこの物質界にオレと同等の物質がねぇんだよ
オレと関わった物質はすぐ壊れちまう
この身体も…お前の母親も…」

『…お母さんも？』

ｻﾀ「お前を見てすぐわかった
お前は母親の生き写しだってな」

『お母さんの生き写し？』

ｻﾀ「オレは物質界が欲しい
それにはお前の存在が必要不可欠だ
“お願い”だから来てくれるよな？」

『……わかったから
行くからお父さんの身体から出ていて
そこ(虚無界の門(ゲヘナゲート))に入れば行けるんでしょ』

その言葉を聞いたサタンは動きを止めてAを見る

ｻﾀ「急にしおらしくなったじゃねぇか
いい子だ、フォスフォラス」

『せめて最後に別れの挨拶をさせて欲しい』

ｻﾀ「いいぜ、ちゃんと来いよ
じゃないとわかってるな？」

『はい』

サタンは満足げにニヤリと笑うとAのおでこに口付けると獅郎の身体から出ていた
出ていたのと同時に倒れこむ獅郎を前から支える
その身体はとても冷えきっていて今にも死んでしまいそうな雰囲気だっただがまだ暖かい

『ごめんなさい…お父さん…』

床に獅郎を寝かせて剣を持ち虚無界の門(ゲヘナゲート)へと足を進める

獅「……くな……行くな…A
頼む…お願いだ…行くな…」