深く結ばれた絆は知っている

俺は彼女を忘れない ページ5

翼side




俺たちは高校生になった。






俺も含めて、ＫＺのみんな『一条学園』というところに入学した。






何でも、一条グループという超・大企業の社長が作ったらしい。






とても賢くセレブしか入れない『特別な学園』






男女関係なくみんなの憧れの的だ。






俺は首席で受かったけど、何も嬉しくない。






アイツがいなきゃ嬉しくなんかない。





アーヤが抜けてから、ＫＺの集合はほとんど無くなった。





だから、リーダーの若武が「前みたいに事件を解こう。」と言って一条学園に行くことを勧めた。





でも、アーヤがいないとＫＺは成り立たない。






アーヤ、俺たち結構変わったんだぜ。






若武は身長がグッとのびてサッカーはもっと上手くなったし、





小塚も身長が急激に伸びて今では痩せてるぐらい。





みんな、みんな徐々に変わりつつある。





勿論、俺も。





アーヤも変わったのかな？





会いたいよ。





アーヤ……





忘れるわけないだろ。





一条学園の入学式、ある噂を聞いた。






少し高いソプラノ声の超・美女がいる、って。






その瞬間アーヤを思い出した。





昔は、可愛い系だったけどきっと今は大人びた美女なんだろうな、って。





まぁ、いるはずないんだけどな。





俺を見て女子がキャーキャー言っている。





どうでも、いいんだけど。





すると、体育館のステージから声がした。





噂の美女らしい。





何でも、一条グループの社長の娘でもあるとか。





・・・・・・





アーヤ、俺たちはやっぱり絆で結ばれているのだと思う。






見付けたよ。アーヤ。






俺はステージの上の立花彩、いや一条彩に微笑む。

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