私の知らない過去のこと ページ24
月「俺は一条家に仕える住み込みの家政婦の息子だ。くわしく言うと、お前の親父との隠し子だ よ」
彩「へっ……」
か、隠し子……？
あまりのことに、頭がついていけない。
月「そんなに驚くなって。ちなみに、お前は自分の父親と血が繋がってないからな。
お前の母親との連れ子だよ」
彩「嘘……」
月「嘘じゃない。だから、俺の母が死んでも隠し子とバレるのを怖がってずっと一条家に住んでい
させた。お前が生まれたとき、俺は実の妹のように可愛がった。学校から帰ったら真っ先にお
前の元に行った。学校ではいじめられるし、家は居づらいしお前の成長を見ることが一番楽し
かっつたよ。そして、お前も俺に懐くようになった。五歳くらいの時なんか、学校以外はほと
ほとんど一緒にいたし、兄妹のようだった」
私は、昔に月川さんと会っていたの？
ダメだ。思い出せない。
月川さんは、遠い目でどこかを見ている。
月「お前が六歳で、俺が十三歳のとき。忙しくて、あまり遊べなくなった。
お前の両親は、全くお前を相手にしなかったし全て家政婦まかせだった。
だから、内緒でお前を―――いや、彩を外に出した。
それが間違いだったんだ。少し目を離したすきに、誘拐された。
誘拐犯は逮捕されたし、彩も命は助かった。
だけど……」
少し間をおいた。
そのあと、言うことは私も分かった。
月「だけど、記憶喪失になった。このままでは、駄目だ。と感じた親父さんは普通の家庭に身を置
かせることを決意した。俺は、後悔した。俺のせいでこうなった、と。
だから、ＫＺたちの事を親父さんに話した。怖かったんだ。また、俺と同じ過ちを犯すんじゃ
ないかって……ごめんな……」
そうして、自嘲気味に笑った。
月「もうすぐで、警察が来るからな」
彩「待って！！」
外に出て行こうとするのを思わず止めた。
彩「待って……月川さん……いや、ヒロ兄……」
目から洪水のようにとどめなく涙があふれる。
全て思い出した。
ヒロ兄は月川さんだ。
月川尋―――――
それが月川さんの下の名前だ。
月「ＫＺを大切にしなよ」
そう優しく笑うと扉を開けて出て行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バニラ - みなみさん» ありがとうございます！！今、『立花彩は武道家！？』というのを書いているのでもし良かったら見てください！最後まで、見てくださって作者は感激です！！ (2019年4月2日 20時) (
レス) id: 3c874928fc (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！.(*´▽`*).最後まで最高でした！ほかの話、、、出来たら教えてください♪お疲れ様でした！ (2019年4月2日 15時) (レス) id: adba53847b (このIDを非表示/違反報告)
バニラ - 上杉愛梨さん» そう言ってもらってすごく嬉しいです！！読んでくださいって本当にありがとうございました！！！ (2019年4月1日 20時) (レス) id: 3c874928fc (このIDを非表示/違反報告)
上杉愛梨(プロフ) - 完結、おめでとうございます。とても面白いお話でした。尊敬します。今日まで更新、お疲れさまです。 (2019年4月1日 15時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
バニラ - みなみさん» コメント、ありがとうございます！！憧れの作者さんにそんなこと言ってもらってすごく嬉しいです！！これからも、のんびり更新していくので応援よろしくおねがいします！！ (2019年3月25日 16時) (レス) id: 3c874928fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：バニラ | 作成日時：2019年2月15日 20時
