深く結ばれた絆は知っている

そこには…… ページ20

黒「これはヤバいな……」







若「マジか……」








みんなの、顔が険しくなる。








それもそのはず。だって、そこには……








『男女計７名が同じ市、同じ時間に失踪！その中にはまさかの一条グループの一人娘が！！』









『憤怒の一条グループ社長！！』








そんな記事のニュースが書いてあったからだ。









小「これは、予想以上……」









もし、見つかったら……









恐ろしくて、その先は考えられない。









これじゃ、一条グループの人間として面目が立たない。









みんなも、巻き込んじゃっている。









もう、後に戻れない。









モウアト二モドレナイ









その言葉が頭をぐるぐるとよぎる。









若「まぁ、別にいいじゃん。予想外のことがあるから、人生は面白いんだし」









翼「そうだよ。そんな、深刻に考えないでおこうよ」









私の思っていることに、察しがついたらしくみんなが私を励ます。









ありがとう。みんな。でも、そんな大切な人だからこそ心配しているんだよ。









若「ほら、気分転換に海に行こう。朝焼けがきれいだよ。」









みんなも、うなずく。








彩「うん、そうしよう。私、ちょっとお茶飲んでから行くから先に行っといて」








若「じゃあ、待っとくよ」








彩「いいの。みんなには迷惑をかけっぱなしだから、先に行っといて」








若「なら……」








若武達は次々に外に出て行く。








あまり、遠慮しないことも仲間だからって気がして嬉しい。









私は静かになった部屋を見ながら、お茶をすする。









そして、ため息。









よし、行くことにしますか……









立ち上がって、ちゃんと戸締りをしてから家を出る。









海の方に向かって走り出す。









慣れないサンダルのキュッ、キュッとした音が響く。









私は安心しきっていたんだ。









後ろから来る人影に気付かずに……

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