9.caloric ページ10
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中指でクイ、と眼鏡を上げたタコ眼鏡に睨まれる。
ごめん全然怖くない。
『お前ら二足歩行上手くなったのな』
「なんかその言い方、癪に障りますね……」
不服そうに顔をしかめるタコ眼鏡。
「…はあ、こんな話がしたいんじゃない。いい加減、僕のことも名前で呼んだらどうなんです?」
『いや俺お前の名前知らねーし』
「はい?」
あ、でもそういえば入学式の時に双子がコイツの名前呼んでたような………
だめだ忘れたわ。
そんでもって双子の名前も分からん。
それを伝えれば目の前のタコ眼鏡に呆れたような顔をされた。腹立つな。
「僕の名前はアズールです。アズール・アーシェングロット」
「俺はフロイド。こっちはジェイドだよ〜」
「ジェイド・リーチです。A・グレイドさんでお間違えは無いでしょうか?」
『お間違え無いよ。アズールにフロイドにジェイドな、よろしく』
そう言えば少し面食らったような顔をする三人。
え?どこに面食らう要素あった???
俺が怪訝そうな顔をすれば、すぐに答えが返ってきた。
「…いえ、今まで散々タコ眼鏡と呼ばれていたので、あまりにもすんなりと名前を呼ばれたことに少々驚きまして」
「はい、僕達も双子、と一纏めに呼ばれていましたから」
「モーリーちゃんもあだ名つけるタイプの人かと思ってたぁ」
『変なあだ名つけまくるお前と一緒にすんな。俺は普通に人のことは名前で呼ぶよ』
どことなく嫌味のようなものを感じるが、まあ三人とも嬉しそうなので良しとする。
俺達は立ち話もなんだからと、食堂の空いている席に移動した。
俺はメロンパンとクロワッサン2つにスープを持って席に座る。そして、目の前のアズールのトレーを見てギョッとした。
『え、アズールお前………なんかすげぇ健康的ね?』
そいつの前に置かれたトレーの上は、野菜料理が大半を占めていた。もちろんバランス良く、少量ではあるが肉も乗っている。
お前はモデルなの???
「アズールは太らないように、カロリーを計算して食事をしているんですよ」
「アズール太りやすいもんね〜」
「お前達……!!!」
『ふーん……お前って努力家なのな』
ニコニコと笑う双子に眉を吊り上げて怒っていたアズールだったが、俺の言葉を聞いて驚いたようにこちらを見た。と思ったらジワジワと耳が赤くなっていく。
「…モーリーちゃんてこういうとこあるよね」
「ええ…」
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明理(プロフ) - ねぇ続きッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!ってなりました('-' )スンッ更新待ってます!! (2022年5月22日 18時) (レス) @page11 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
にこ柚子(プロフ) - 動かない点Pさん» 嬉しいです〜!!これからも更新頑張ります…!! (2021年5月4日 23時) (レス) id: b0fec9ac44 (このIDを非表示/違反報告)
にこ柚子(プロフ) - ソーダ錫さん» わああ嬉しいお言葉ありがとうございます…!応援とても力になります! (2021年5月4日 23時) (レス) id: b0fec9ac44 (このIDを非表示/違反報告)
動かない点P - こういう話待ってました!ありがとうございます…! (2021年5月4日 2時) (レス) id: b1d96eb9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ錫(プロフ) - 面白い。好き。応援してます。 (2021年5月3日 20時) (レス) id: 10b66fbb96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にこ柚子 | 作成日時:2021年4月11日 3時