8.bread ページ9
.
今日は月に一度、学園でパンが販売される日である。
生徒の間で美味しいと話題で、俺も今しがた噂のパンをゲットしたところだ。
『うっひょ〜〜〜!このメロンパン絶対美味いやつ!!!』
ホクホク顔の俺の隣では、ハイエナが少し息を切らしながら一番人気のデラックスメンチカツサンドを握りしめていた。
「はあ……あ、危ない……レオナさんに怒られるところだった……」
『えなにお前パシられてんの?』
「違うッスから!!!」
尻尾をビッと上へ立ててそう言ったハイエナが、俺の顔を見て一瞬固まる。
「………ってアンタ、超絶イケメンで無自覚タラシ野郎って噂のAくんじゃないッスか」
『まって何その噂初耳』
ええ、と顔を歪めた俺を見てシシシッと楽しそうに笑った目の前のハイエナ。
ラギー・ブッチと名乗った彼は、大きな耳をピコピコと動かした。ベストの色と腕章から見てサバナクローだ。
てかこいつ入学してまだ一週間とちょっとしか経ってないのにもうパシられてんの?
かわいそすぎない???
『あーー………まああれだ、辛くなったら話ぐらいは聞いてやるよ』
「いや別に俺虐められてないッスからね!?その可哀想なものを見る目やめて!!!」
『え、じゃあ逆になんなの?善意でやってんの???うわぁ…』
「いやいやいや、そんな訳ないッスよ!レオナさ、あーっと、ウチの寮長のお世話係?に任命されちゃって」
『ただのパシリじゃねぇか』
「やめて」
パシリの他にも部屋の掃除とか料理とか色々やってるから!と言っているがそれもう雑用では??
てか自分でパシリって言っちゃってるし。
『サバナクローの寮長は赤ちゃんって認識でおけ?』
「あーまあそんな感じで大丈夫ッス。あの人留年してるけど」
『はた迷惑な赤ちゃんだな』
「…あれぇ?モーリーちゃんだぁ〜〜!!」
その声にバッと後ろを振り向いたラギーはうげ、と顔を歪めたあと、じゃあ俺はこれレオナさんに届けないとなんで!と言ってそそくさと去っていった。
逃げ足早いなおい。
俺が声のした方を向こうとすれば、ずしりと肩に重みが乗る。
『重いわバカ』
「モーリーちゃん、入学式ぶりだねぇ」
「ええ、久しぶりですねAさん」
双子に俺が絡まれていると、その後ろからあの眼鏡が歩いてきた。
「全く二人とも、急にいなくなったと思ったらなんなんです………おや、」
『おっすタコ眼鏡』
「誰がタコ眼鏡だ」
.
557人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明理(プロフ) - ねぇ続きッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!ってなりました('-' )スンッ更新待ってます!! (2022年5月22日 18時) (レス) @page11 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
にこ柚子(プロフ) - 動かない点Pさん» 嬉しいです〜!!これからも更新頑張ります…!! (2021年5月4日 23時) (レス) id: b0fec9ac44 (このIDを非表示/違反報告)
にこ柚子(プロフ) - ソーダ錫さん» わああ嬉しいお言葉ありがとうございます…!応援とても力になります! (2021年5月4日 23時) (レス) id: b0fec9ac44 (このIDを非表示/違反報告)
動かない点P - こういう話待ってました!ありがとうございます…! (2021年5月4日 2時) (レス) id: b1d96eb9b0 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ錫(プロフ) - 面白い。好き。応援してます。 (2021年5月3日 20時) (レス) id: 10b66fbb96 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にこ柚子 | 作成日時:2021年4月11日 3時