I you she・ダリア様リクエスト ページ9
「鏡花」
「お主には才能があるのじゃ」
「お主は、此方側でしか──」
「生きれない」
────やめて。
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私の名は鏡花。好きなものは兎と豆腐。嫌いなものは犬と雷。
そう心の中で唱える。ひたすらに心の中で自己紹介をしていれば、自然と心が落ち着く。いつも、そうしていた──自己紹介をする相手が、たとえ数秒後に死ぬと判っていても。
だけれど今日は、何故か、心が落ち着かない。
『鏡花ちゃーんっ!』
後ろでぴょんっと誰かが跳ね、此方に向かってくる気配がした。誰かが居るのは判っていたが、声を聞いて凪だと判別する。
そのまま半歩横にずれ、最小限の動きで彼女を躱した。
『うぉ、と、と、……!?』と呻き声を上げつつ何とか体勢を立て直そうとした彼女は、それも叶わず地面と熱烈なハグをした。こうなることが解っていなかったのだろうか、そう思い少し首を傾げた。
『痛い……』
「大丈夫?」
『今大丈夫になった! 抱き着いてくれればもっと大丈夫になる!』
「大丈夫そう」
私が声を掛ければ、すぐさま跳ね起きる彼女。少し汚れてしまった鼻頭を指で擦り、『行こ?』と優しく声を掛けてくれる。
私は彼女が差し出してくれた手を、黙って見つめた。それから自分の手を見つめた。
「──うん」
私は、彼女の手を取った。
:::
前、敦が連れて行ってくれた場所とは別の処に行った。UFOキャッチャーを見て、あれがやりたいと云ったら『一回だけね』と云ってくれた。敦がやっていたのを見て、難しそうと思っていたけど結構簡単で、楽しかった。
「……あの」
口を開いた私に、彼女は首を傾げて応じた。
「あり、……あり、がとう。あの時、私に、話しかけてくれて」
緊張してどもってしまった私を見て、彼女は『尊い……』と顔を押さえながらも、ニコリと微笑んだ。
『君が笑ってくれれば、私は嬉しいから』
:::
「……紅葉様」
「くそぅ、凪と鏡花があんなに近くにおるのに
「紅葉様、あの、もう出て行かれてはいかがでしょうか」
「あれだけ醜態を晒しておいて今更出て行くのは壁が高すぎるのじゃ!」
「いや、多分女の子の方は判りませんけどもう一人の人は何とも思ってないんじゃないでしょうか(もとい何も考えていないのではないでしょうか)」
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もち明太子 - リクエストで原作の文ストの人たちとの絡みを見てみたいです (2022年8月30日 20時) (レス) @page44 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ヴェルレエヌさんって一応生きてますよね。ってこと夢主とヴェルさん(ヴェルレエヌ)の絡みが見てみたい! (2022年6月25日 11時) (レス) @page44 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - リーフさん» コメントありがとう御座います!!やりたいですね(真顔)。凪は基本周りの全員を自分よりすごいと思っているのであんまりキレないですね(笑)。リクエスト書くのは非常に遅くなると思うんですがやらせていただきます……! (2022年1月26日 16時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
リーフ - 本編でもコメントさせていただきましたが…番外編も超面白いです。それで大変恐縮なんですが…凪ちゃんが太宰さんやらにガチギレしたのみたいです。なんか静かに怒る人ほど怖いアレ。リク大変失礼ですがお願いします!!!(土下座) (2022年1月20日 18時) (レス) id: 3fbf61d899 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 本当にありがとうございま!!感謝で!!あと、Twitterのアカ作ったのでフォローさせて頂きまし!!これからも応援してま!!本当に毎回毎回リク受け付けて下さりありがとうございます!!感謝しかないです!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2020年1月30日 17時