よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

タピオカミルクティー・ダリア様リクエスト ページ21

どうしてこうなった。


テラス席にて、椅子の上で膝を抱えて唸る私をドスさんが不思議そうに見つめ、「頭でも打ちましたか？」と心配そうに声を掛けてくれた。でもそれ心配してることになるのかな。



『いや、あの……マジでどうなってんすかこれは？』

「ご都合主義です」

『なるほど』



一言で物凄い簡潔に云われたのだが、慥かにそれ以上分かりやすく説明してくれる言葉はないだろう。何と素晴らしい言葉だろうか。クソが誰だよこんな言葉作った奴。

ドスさんはさっきの心配そうな顔とは一転、くすくすと面白可笑しそうに笑った。そんなに私の表情見てるのは楽しいですかねオイ。顔に出やすいとはよく云われるがそんなレベルか……？

若干気落ちしてしまった私の雰囲気を悟ったのか、ドスさんはニコニコして私にタピオカミルクティーを差し出した。ついさっき道路沿いにあった店でセールを行っていたので購入したものである。ちなみに購入者は私ではなく彼。



いや、すげえ似合わなかった。マジかって思うレベルでタピオカとドスさんの組み合わせは合わなかった。



「失礼なこと考えてません？」

『いえ何も』



ぶんぶんと勢いよく顔を振れば、「そうですか」と云われながらぐりぐりとほっぺたにタピオカを押し付けられる。冷たっ、冷たいんですけど。

めちゃめちゃ嫌そうな顔をしながらも抵抗しない私に(抵抗したら何されるか判ったもんじゃないので)、ドスさんは不満そうに鼻を鳴らした。


……だって観光と云っても、私東京と実家以外はほとんど回ったことなどないし。


ちょっと苛々としてきたので、ドスさんに『そのタピオカって蛙の卵なんですよ』と教えてあげた。途端彼がぶぅっとタピオカを吹いた。




「……え？ 日本人は蛙の卵を呑む風習があるんですか？」

『そうですよ。ほら皆さん楽しそうに飲んでいるでしょう』




ドスさんは私に「もういらないです」とタピオカの容器を押し付けて来た。勿論全部飲み干した(彼は凄い顔をしていたが)。

後日嘘ですよーとメールを送ったら、家に大量に蛙の写真が送られてきた。超微妙な嫌がらせである。何だタピオカガエルって。


.


兄が好きなタピオカガエル(模写をするくらいには好き。自分には欠片も感性が判らない)。ちょっとギャップがあるドスさんは書いててすげえ楽しかったです。

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