よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

気に入らないわ・マリサ様リクエスト ページ12

「凪、ちょっと手伝って欲しいことがあるの！」

『はあ──ところでエリスちゃん、一応今私と君は敵同士になるのだけど良いのかな』



良いらしい。



：：：



エリスちゃんに半ば無理矢理外へ引っ張り出された。今日は休日だというのに、と憎たらしい程に真っ青な空を仰ぐ。あちぃ。

エリスちゃんは私の右手を引き、るんるんと歌いだしそうな雰囲気で歩いている。可愛いなー。手ぇちっちゃいなー。


──おぉっと、それで、エリスちゃんが私の部屋に来た理由なんだが。

曰く、リンタロウ──森さんの誕生日プレゼントを買いたいのだとか。ポートマフィア内の人に頼めばよかったのでは、と云えば「皆リンタロウの命令に逆らえないでしょ？」と至極尤もな意見を云われてしまった。幼女に。ううむ。



「だから──、ちょっと、凪？ 聞いてる？」

『え、ああ、聞いてませんでした』



もうっ！ と両手を振り上げて怒るエリスちゃんが可愛すぎるんだがどうしよう。え？ どうもできない？


急に顔面を押さえた私に冷たい視線がグサグサと突き刺さる。容赦なさすぎワロタ。……普通に通行人からも入ってくるとなると、笑えねえけど。

あはは、すみません──と苦笑しながら謝意を示した。エリスちゃんはしばらく私を見つめ、何故だか少し不機嫌になった様子で「別にいいわ」と云った。



『え、エリスちゃん？』

「別にいいの。早く行きましょう？」



何処か不機嫌な様子の少女を、私は追いかけた。



『エリスちゃん、済みません、私何か……』

「……喋り方よ」



ぷくっと頬を丸くさせながら、拗ねたように云う可愛らしい少女の様子に、私は絶句した。



「気に入らないわ。前は、その……、もう少し軽く接してくれてたでしょ。だから、……その、もうちょっと気軽に接してくれていいのよ、っていう、」

『……』



可 愛 い か よ 。

かッ可愛い！！ 何その理由可愛い！！ えっちょ、待って？ 可愛いね？ (最早何を云っているのか判らなくなってきた)



『すっ……、御免ね、エリスちゃん』

「！」



ぱあっと顔を明るくさせたエリスちゃんと休日を満喫しました。はーマジ可愛すぎ尊い。天使とはこのことか。

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