よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

ifの世界・曇天に笑う様リクエスト ページ11

マジでif。マジでif。ホンット重要だから覚えて。大事だからもっかい云う(三回目)。

マジで、if。


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『……っえ、いやぁ、何、云って──』

「では、もう一度云おうか」



真顔で返して来たジイドに、慌てて首をぶんぶんと振るも時すでに遅し。

好きだ、とジイドは繰り返した。私の首から上はぼふっと更に真っ赤になり、意味の無い呻き声が喉から発声された。待って、待って。いや、あの、


……待って？


いや何を待つとかそういうんじゃなくて、あの。


……待って？


傍に居た織田作さんに助けを求めるような──魚が酸素を求めて口を開くように、視線を動かした。冗談だと、云ってくれるように。

織田作さんは黙って此方を見つめ、ああ、嘘じゃないんだ、と理解した。いや理解できても如何こうできる問題ではないんだけれども、と頭の中でぐるぐる思考が回る。

だって、そんなの、理解できないじゃないか。


織田作さんも、ジイドも、好きな人がいるなんて。

それが、私だなんて。




『なん、何で、私なんかを。私、女子力とか無いし。ドジ踏んだりしますし、口悪いですし』




それでも、と云う二人に私はいよいよ困窮する。顔はもう爆発しそうだし、心臓は肋骨から飛び出そうだし。

自分をとにかく卑下しようとして、それが二人にとって無礼に当たることに気づいたのは露骨に不機嫌そうな顔(無表情を見慣れている私からしたらの話だ)をした織田作さんが居たからだ。


でも、それで如何にか私は今のあり得ない状況を保っているのだ。無茶云わんといて欲しいねん(？)。

とにかく私の思考回路が熱で使い物にならないことは分かっていただけただろう。


この場の選択肢は──、と私は考えた。



ジイド。
織田作さん。
二人ともお断り。
逃げる。



私はごくりと生唾を呑み、＊番目の選択肢を選んだ。

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