或る、一夏の記録 弐 ページ22
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「初めまして。暁
『あー……私の二個年上です』
ぺこり、と頭を下げた夜霧を、凪が嫌そうな顔をしつつ説明をした。一言で終わった。
探偵社側は、第一印象が最悪だった為何故か微妙な空気に陥っていた。
『いいか、此れでも一応凄い人達だからな。絶対に無礼を働くんじゃ無いぞ』
「え? じゃあお前に無礼を働くわ」
『じゃあの意味が判んねえよ。は? 何? 莫迦なの阿保なの何なの?』
「莫迦です」
『そうじゃねぇよ!』
普通に凪がキレた。夜霧はそんな妹を見て「はん」と鼻で笑う。再度凪が『手前ガチでぶん殴るぞ』とキレる。
兄弟特有のノリに探偵社はついていけず、沈黙を貫いた。
「夜霧さん! 宜しくお願いしますね!」
だが賢治に限っては違った。探偵社の全員が「グッジョブ」と心の中で親指を立てた。
「お、おお? 宜しくー」
『宮沢賢治』
「宮沢君、宜しくねー」
夜霧は珍しい対応を受け、少し戸惑いながらも笑って手を差し出す。
「あんたら、川に遊びに来たんだろ? じゃあとっとと入ろうぜ、人が居なくて困ってたんだ」
凪を除く探偵社陣がその言葉の意味を知るのは、もう少し後であった。
その川には、地元民から「沈み岩」と称される岩があった。その名の通り、水面からおよそ70センチ程下にある岩。川の流れに直撃されている為、バランスを崩したら流されそうになる程の強さだ。
そして夜霧は、人を煽るのがクッッッッソ上手かった。
その事が何を表すのかと云うと。
「あっあっあれ?先刻太宰さんこれぐらい余裕さ……とか余裕ぶっこいてたよね? あれー一体如何しちゃったのかなあああ!? あれー!? ねえ今どんな気持ち、年下にこんだけ煽られてどんな気持ち!?」
岩に乗った事で油断している太宰を突き落とし。
「武術の達人? 武術の達人の癖に年下に負けるとかヤバくない? うわダッサ……然もあんな嘘に騙されるとかダッサ……うわー見習いたいですねえその純粋さ!」
国木田に「UFOが居る!」と叫び後ろを向いた処を突き落とし。
「女の子だからって手加減されると思った? ねえねえ思った? ザンネ〜ン! 俺それ程優しくないんだよねぇ! 男友達とゴミグループって云うLINEグループ作ってるぐらいなんだよねぇ!」
鏡花に「大丈夫、君には何もしないよ……」と爽やかに笑っておきながら突き落とし。
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とあるアニメーター - マジですか!!!ありがとうございます!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» へえーいいですねえ!やらせて頂きますとも、何かかなり滅茶苦茶な展開になりそうですが……(笑)。 (2020年1月21日 18時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - そうですか!良かったです!リクエストで、そうだ、番外編作っちゃおう!と思った今日この頃の第3段を記念して…。みたいな感じで、今日この頃シリーズで出てきた文ストキャラ達をたくさん出してほしいです!こちらも長めになって良いので、よろしければお願いします! (2020年1月21日 18時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» ええ勿論!ちょっと遅くなるかもしれませんが番外編もとうとう三!……ひええマジかあ。 (2020年1月21日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - この番外編、続編行きますか? 続編作って頂けたら、またリクエストしたいです。 (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作成日時:2019年7月6日 21時