もう一つの輝き『イナイレ』 (ページ13)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:81,724 hit

昔話 5-2 ページ13

"日本に帰る?"

"うん..元々 2年だけだったから……"

"……いつ出国なんだ?"

"2週間後"

"……そんな……早すぎるよ…"

サングラスのおじさんが帰った後、いつものように約束時間より30分早く来た一哉に出国事実を知らせた。しょぼる姿に罪悪感が感じた。

"..ごめんね"

すまない気持ちで頭を下げて謝ると、一哉は私の前にしゃがんだ。

"頭を上げて"

"。。うん。。?"

"2週間後、別れるのなら、君といられる2週間を最大限楽しみたいんだ"

俺に君の14日をくれないかな

私の手をしっかり握って微笑む一哉はどこか守に似ていた。2年前、わあわあ泣いていても、別れる時は明るく笑ってくれた幼なじみが思い浮かぶ笑いだった。

--

一之瀬side

2週間という短い時間はあっという間過ぎた。どうしてもAと一緒にいようと約束時間より1、2時間早く会って日が暮れて暗くなるまでいつも一緒にいた。

サッカーの練習だけでなく、たまには病院の周りを散歩したり外出許可を受けて街を歩き回った。

このまま別れればその幼なじみに奪われるかも知れないという思いでいっぱいだった。

しかし、時間はあまりにも早く、いつの間にかAと別れなければならない日がやってきた。

"A、また会おう"

Aを抱きしめて耳元でささやいた. くすぐったそうにAが笑い出したが、これが最後だと思ったら、俺は精一杯笑えなかった。

"うん、一哉。"

優しく笑うその姿は初めて会った時のように綺麗だった。

"A"

"ん?"

俺を見つめるAの腕を引っ張って、Aの額に口付けをした。慌てたように目を大きく開けるAを再び抱きしめてつぶやいた。

"君がどこにいても君を探すよ。俺にサッカーを取り戻してくれてありがとう。本当に大好き。"

好きだという言葉にどれだけの意味が込められているか鈍感なAは絶対分からないだろう。それでもいい。Aが俺を訪ねてきたように、俺がAを訪ねればいいから。この好きだという言葉はその時にまた伝えよう。

"うん、私も好き。一哉"

慌てた様子もなく、俺の背中を軽く叩くAは小さかった。1年前までは俺より大きかったAだったのに、いつからかな、こんなに小さくなったのは。

痩せて細かった。

内心誓った。次に会う時、より一層強くなった姿を見せよう。その幼なじみに負けないように。

絶対また会おう。

俺の初恋