先輩と爆裂 ページ25
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俺は今、後輩を全力で止めようとしている。
事の発端は俺が紅魔Aの身長を馬鹿にしたことだ。ちょっと弄っただけでコイツは爆裂呪術を撃とうとしている。
爆裂呪術とは有りとあらゆる物を破壊する術式だ。俺の無下限すら破壊する反則級の威力。こんな屋内で使われたら生き埋め待ったなし。それは絶対に避けなければならない。
必死になって奮闘していれば、Aは紅い瞳を爛々と光らせ呪具__猩々緋鴉を俺に向けて口を開く。
「汝。我が読み上げる文を復唱せよ『身長は個人差があるものです。安易に馬鹿にしてすみませんでした』」
「くっ……し、身長は個人差があるものです。安易に馬鹿にしてす、すみません…でしたっ」
刃先に呪力のエネルギーが集まってるのを見て、屈辱感を感じながらもAの言った言葉を復唱する。
俺よりずっと小さいくせに、俺よりも年下なくせに、万年中二病の紅魔族のくせに。
「まあ、仏の顔も三度までと言うしな……次はない」
__なんでコイツからは尋常じゃないほどの圧を感じてしまうんだろう。見上げられてるはずなのに、見下ろされているように感じてしまう。
"紅魔族には手を出すな"これは御三家では暗黙の了解。これは"喧嘩を売るな"という意味だ。
下手に刺激しなければ、優秀な(術式が)紅魔族は害がない。だが、怒らせればどうなるかは分かりたくもない。触らぬ神に祟りなしというわけだ。
餓鬼の頃から耳にタコができるほど言い聞かせられたこの言葉。久しぶりに思い出した。確かにこれは怒らせてはいけない。コイツの場合は特に、だ。
「それでは帰りましょうか、五条悟先輩」
「お前さぁ……なんで俺だけフルネームなんだよ」
「だって、五条家の五条悟様ですよ? 他人行儀になるのは仕方がないじゃないですか〜
__それに、俺の爆裂呪術で先輩に傷を作っちゃいましたからね。馴れ馴れしくして暗殺されたらと思うと俺、怖くて怖くて…」
嘘つけ。本当に怖かったらさっき爆裂呪術撃とうとしねぇよ!! 俺はため息をつくと、出口に向かって歩き出した
「………頭のおかしい爆裂狂め」
「今、何かいいましたか?」
「なんも言ってねーよ!!」
「いや、もう一度言ってください。ほら、俺がなんですって? 頭が何の何狂ですって?」
「聞こえてんじゃねぇか?! って、待て待て待…」
その後、廃ビルは半壊した。俺は爆裂呪術を撃った時のアイツの顔を生涯忘れることはないだろう。……くそったれっ!!!!!
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モナカの中の粒あんの中のあずき - この作品面白かってここまで夏休みの宿題もほっぽりだして一気読みしちゃいました!更新楽しみにしてます!! (8月18日 20時) (レス) @page37 id: 5a8fdc6461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちん(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援してます! (5月3日 15時) (レス) id: bdddc4d914 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - まじさいっこー!このすば大好きだからめっちゃ嬉しいです!楽しみにしてます! (2022年6月21日 15時) (レス) @page24 id: ed520dee7f (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 呪具の名前、 「紅麗主刀」(べにれいかずとう) と、「赤爆勝刀」(あかばくしょうとう)とか、ホントにセンスないのですが、どうですか………? (2022年5月17日 17時) (レス) @page21 id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん(プロフ) - 更新嬉しい…これからも無理なく頑張って下さい! (2022年5月13日 15時) (レス) @page23 id: 9274152077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年2月11日 22時