爆裂と短期 ページ24
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「ふっ!」
「……………」
「はっ!」
「……………」
「はぁっ!!」
「ふ、ふわぁ………ねっみぃ」
なんやねんコイツ(先輩)。俺は心の中で舌打ちをする。
さっきからずっとこうだ。俺が呪霊を祓っているのを眠そうな目で黙って見るだけ。本当に何しに来たんだか。サボるならもっといい暇潰しがあっただろうに。
俺は襲い掛かってくる呪霊の顔面らしき部分に呪具を突き刺し、そこから下に向かって勢いを殺さずに斬り、祓う。
__刹那、背筋が凍るような感覚が襲ってきた。
咄嗟に後ろを見ずに下から上へ後ろの呪霊を斬りつけたあと、呪具を空中に放り出す。
振り返ると、手でこちらに手を伸ばしている呪霊。手を踏みつけ体のど真ん中を呪力を込めて殴ると、呪霊の動きが一瞬止まる。
その一瞬を見逃す筈もなく、俺は空中に放り出した呪具を掴み呪霊の首を刎ね、やっと一息をつく。数が多いな、まったく。
「……お前、本当に体術や呪具の扱いも上手いんだな」
五条悟先輩が言った。俺は、先輩が教室に乱入してきた時のことを思い出す。
そう言えば、術式に頼らずとも戦えると言ったっけ。今回はそれを確かめにわざわざ俺の任務に引っ付いてきたのか。
俺は先輩が着いてきた理由がわかったことで気分が少しスッキリした。そして、プライドの塊の先輩に褒められたことで口角が緩みながらも口を開く。
「体術と呪具の扱いは師匠に教わったんです。この呪具__
「……お前、口元ゆるゆるだぞ。きっもち悪りぃ。身長も相まってお菓子買ってもらって喜んでるガキみてぇ」
「よし。喧嘩なら買おうじゃないか」
猩々緋鴉を五条に向け、爆裂呪術の呪文を唱えようとすると「待て待て待て!! 屋内で使うな馬鹿野郎っ!!」と五条が慌てふためる。
知るか。二度も俺の身長を馬鹿にしやがって。遅かれ早かれいつかは解体されるだろ、それが今だっただけだ。
「おまっ、短気すぎるだろ! すぐに爆裂呪術撃とうとする癖やめろ!!」
「師匠が言った。『売られた喧嘩は必ず買え、特に御三家は遠慮せずにくれてやれ。ただし師匠である俺には撃つんじゃねーぞ、絶対だ。絶対だからな。師匠との約束だからな。撃つなら御三家に撃て』……と」
「お前の師匠イカれてんな! どんだけ御三家に恨みあるんだよ! おいやめ、やめろぉっー!!!」
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呪具は猩々緋鴉に決まりました!
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モナカの中の粒あんの中のあずき - この作品面白かってここまで夏休みの宿題もほっぽりだして一気読みしちゃいました!更新楽しみにしてます!! (8月18日 20時) (レス) @page37 id: 5a8fdc6461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちん(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援してます! (2023年5月3日 15時) (レス) id: bdddc4d914 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - まじさいっこー!このすば大好きだからめっちゃ嬉しいです!楽しみにしてます! (2022年6月21日 15時) (レス) @page24 id: ed520dee7f (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 呪具の名前、 「紅麗主刀」(べにれいかずとう) と、「赤爆勝刀」(あかばくしょうとう)とか、ホントにセンスないのですが、どうですか………? (2022年5月17日 17時) (レス) @page21 id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん(プロフ) - 更新嬉しい…これからも無理なく頑張って下さい! (2022年5月13日 15時) (レス) @page23 id: 9274152077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年2月11日 22時