同級生と爆裂 その2 ページ12
・
遠くから、同級生の紅魔Aを見守る。隣には、同じく同級生の七海も僕と同じく心配そうな目でAを見ていた。
「爆裂呪術って、一発撃っただけで倒れちゃうんでしょ? Aは動けるとか言ってたけど大丈夫かな……ほら、倒れた後とか」
「……流石にフラフラの後輩相手に手を上げるほどクズではないでしょう」
Aから「離れていろ」と言われたのでそれに従ったが、やはり心配なので近くに行こうかと思っていれば、軽くビリビリとした空気の振動が伝わってきた。
見れば、Aは何やらぶつぶつと唱えている__術式を発動させるための詠唱だろうか。空気が震えているのを遠く離れていても感じるのだから、近くではどれほどのものなんだろう。
詠唱を続けながら、Aはサングラスの先輩に手のひらを向けると、そこに球体の光ができた。膨大な呪力があの小さい光の塊に集まっているのがわかる。
アレをマトモに喰らえば、一瞬で塵も残さず消えてしまうと直感的に悟る。空気の震えが最高潮に達した瞬間。Aは目を見開き詠唱をやめて叫んだ。
「『エクスプロージョン』ッ!」
目にも止まらぬ速さでまるで流星のように一筋の光が撃ち出され、サングラスの先輩目掛けて吸い込まれるように突き刺さると……
その直後。目も眩む強烈な光と轟音が響き渡る。爆風がここまできて、吹き飛ばされないようになんとか足に力を入れて踏ん張る。
なんとか落ち着いたときには爆心地であるサングラスの先輩がいた辺り一体は爆煙で包まれていた。
「……すごい」
そうとしか言い表せないほどの破壊力。理不尽としか言いようがない破壊力。僕は興奮のあまりぶるりと体が震えた。圧倒的な力を目の当たりにし、ちょっとゾクゾクした。
僕がそのまま動かないでいると、七海が爆煙に向かって走り出す。そうだ、サングラスの先輩とAが怪我していないか確かめなきゃっ!
七海の後を追おうと、僕も少し遅れて爆煙へと走り出した。
・
454人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モナカの中の粒あんの中のあずき - この作品面白かってここまで夏休みの宿題もほっぽりだして一気読みしちゃいました!更新楽しみにしてます!! (8月18日 20時) (レス) @page37 id: 5a8fdc6461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちん(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援してます! (2023年5月3日 15時) (レス) id: bdddc4d914 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - まじさいっこー!このすば大好きだからめっちゃ嬉しいです!楽しみにしてます! (2022年6月21日 15時) (レス) @page24 id: ed520dee7f (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 呪具の名前、 「紅麗主刀」(べにれいかずとう) と、「赤爆勝刀」(あかばくしょうとう)とか、ホントにセンスないのですが、どうですか………? (2022年5月17日 17時) (レス) @page21 id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん(プロフ) - 更新嬉しい…これからも無理なく頑張って下さい! (2022年5月13日 15時) (レス) @page23 id: 9274152077 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年2月11日 22時