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24話 ページ26

────ゴンッ



鈍い音が、闇に溶ける。
フロイドは口の中の血を吐き出し、
コロコロと笑った。




「いたぁーい。今まででいちばん痛いかも。」




ジェイドは肩で大きく呼吸していた。
自分が片割れを殴ってしまったという事実と、Aのことで頭が飽和していて何も考えられなくなっていた。




ただ呆然と、フロイドの顔を見つめていた。
自分は今、何をした?唯一の血の繋がった兄弟を殴っ────




「ジェイド。」




ジェイドの思考を遮るように、フロイドはジェイドを抱きしめた。純粋な思いで、Aが自分にやってくれたみたいに。




「……どうして言ってくれなかったんですか。」




ジェイドは少し落ち着いたのか口調を戻して問うた。夜がまた静けさを取り戻したみたいに。




フロイドはジェイドの頭を雑にポンポンと撫でながら、静かに呟いた。




「ごめん。」




「言ってくれたら、僕だって……。」




「ごめん。」




共に歩んだ人生で数回目の静かな会話。
時間がゆっくりと進んでいる気がした。
朝が明けるのが、遅い。




「ジェイドはAチャンのことちゃんと“兄”として大好きだったから言いずらかったし、ジェイドにまで辛い思い、させたくなかった。ごめん。」




フロイドは静かに言葉を紡ぎ、何度目かのごめんを繰り返す。ジェイドの拳を握る強さが一段と増した。




「……わかってます。フロイドが僕の為を思って隠してくれていたことは。」




でも、と少し掠れた声で、泣きそうな声で叫ぶ。




「フロイドの助けになれなかった自分が、兄さんの助けになれなかった自分が……どうしようも嫌だ。」




「ごめんねぇ。」




伝われ伝われ、とフロイドはジェイドを一層強く抱きしめる。不器用で今のジェイドにかける言葉が見つからない。ただ謝ることしか出来ないから、ただ強く願う。




「……謝らないでください。悪いのは僕です。
殴ったこと、暴言を吐いたこと、フロイドに辛い思いをさせたこと謝ります。」





ごめん。と消えそうな声で呟いたジェイドはフロイドが見たことない表情をしていた。

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らずぴす(サブ垢)(プロフ) - マカロンさん» 長い間すみません!少しあと一ヶ月経ったら更新しまくるのでよろしくお願いします!! (2021年2月4日 7時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 久しぶりに見たら更新されてました!あ〜!!!続きが気になります!! (2021年2月4日 0時) (レス) id: 2dc6582dc3 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - ラムさん» 長らくお待たせしてしまってすいません……! (2020年12月2日 19時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - mioさん» 返信遅くなってすみません!コメントありがとうございます!! (2020年11月13日 15時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす x他1人 | 作成日時:2020年9月20日 20時

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