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A視点



「あの……Aさん。お願いがあるんです」



ジュビアちゃんが妖精の尻尾に加入して、少したった頃あるお願いをされた。
それは同じファントムの仲間だったガジル・レッドフォックスのこと。彼を妖精の尻尾に紹介したいとのことだった。
今彼はファントムの本部があった場所の近くのスラムにいて、荒れた生活をしているらしくこのままでは、闇ギルドに入ってしまうのではないかとジュビアちゃんは心配していた。



「ガジル君はいつも孤独で…ジュビア放っておけないんです!!でも…私が言っても話を聞いてくれるとは思えなくて……」

「ジュビアちゃん…」

「ごめんなさい。此処に加入させてくれただけで有難いのに、ギルドを壊した張本人を紹介するのは可笑しな話ですよね……」

「……こればっかりは私一人の判断では決められないな…」



ジュビアちゃんは悲しそうに目を伏せた。力にはなってやりたいけど…彼がやったことは許されることじゃない。皆を深く傷つけたことには変わりないからな。



「ならワシが直接会ってこよう」

「マスター?!いつからそこに?」



後ろから声がして振り向くと、そこにはマスターが立っていた。最初から話を聞いていたようだ。



「あやつのように強い者が闇に堕ちればまた誰かが傷つく。それを止めるのも、またワシの使命じゃ」

「マスター…ありがとうございます!!」

「よいよい。それじゃあ早速出発するかの〜」

「マスター、私も付いて行っても構わないですか?」

「別によいが、何故?」

「ジュビアちゃんの保証人は私。ジュビアちゃんが人を紹介するなら、保証人の私も会いに行くのが筋かと」

「なるほど…ならば二人で行くとするか」

「マスター、Aさん。ガジル君のことをお願いします!」

「あぁ!任せといて」



こうして私とマスターは妖精の尻尾を後にした。

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作者名:わたがし | 作成日時:2020年3月19日 15時

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