彼女はラクサスに恋をした (ページ31)

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A視点

ジョセと私の魔法が激突し互いの魔法を打ち消した。それを合図にジョセに向かって、次の攻撃を繰り出す。しかし決定的な攻撃にはならない。

「エンジェルソール……接収魔法の中でも美しいとされる魔法。もう見れないものだと思っていましたよ」

「なぜだ？」

「貴方は例の事件以来、名前を聞くことがなくなりましたからね。てっきり引退したのかと」

「ははっ、これが終わったら考えるさ。私より強い魔導士は妖精の尻尾に大勢いる…安心して引退できるからな！」

「妖精女王や貴方以外にもそんな強大な魔導士がねぇ……マカロフのギルドに他にもいたとあっては気にくわんのですよ！！！」

ジョセから放たれた魔法を間一髪のところで避けると、魔法の連鎖攻撃が繰り出されそれを避けつつジョセに少しずつ詰め寄る。

「ここまでするほど、マスターに恨みでもがあるのか？！！」

「マカロフに直接的な恨みはない。ただ気に入らんのだよ！！クソみてーに弱っちいギルドが幽鬼な支配者と同等に考えられるのが！！！」

「この戦争はその下らん妬みが原因か？」

「妬み違うなぁ。我々はものの優劣をハッキリさせたいのだよ」

「本当に下らない…！！光の聖拳(ライト・フェスト)！！！」

距離を詰めた瞬間、右手に魔力を込め拳を突き出すがジョセに片手で受け止められてしまった。

「これが貴方の全力ですか？妖精の使者？…笑わせるな！！」

「うぁぁぁっ！！！」

「A！！」

ジョセの攻撃を受けた私は壁に叩きつけられた。そして腹の中から沸き上がる気持ち悪さを思わず吐き出した。口を覆った手を見ると、血がべっとりとついている。激しい鼓動と頭痛に耐えながら戦ってもう時間がない…。体中が悲鳴をあげ始めている。頼む……あと少しだけ。もう少しだけ耐えてくれ。