第七話 交差する思い ページ22
視点なし
妖精と幽鬼の対決は、妖精の撤退で一時的に終わりを告げた。誰も予想していなかったマスター・マカロフの敗北。大空のアリアの奇襲に会い敗北したといえ、マスターなしではジョセに勝つことはできないとのエルザの判断で妖精の尻尾は無念にも撤退した。
そして今はギルドに戻り、悔しさ糧に武器を集め、作戦を練り直していた。その中でミラとカナは、戦力を補充するため不在の二人のS級魔導士を集めようとしていた。
一人はミストガン。カナが得意のカードで占うも居場所はわからない。そしてもう一人のラクサスはミラが通信用ラクリマを使い連絡をとっていた。
「マスターは重傷。ミストガンの行方もわからない。頼れるのはあなたしかいないのよ………ラクサス」
《あ？》
「お願い……戻ってきて妖精の尻尾のピンチなの」
《あのクソじじいもザマぁねぇなァ！！！はははっ》
ミラの悲痛な叫びもラクサスには届かない。ラクサスはこの窮地を嬉しそうに笑っている。しまいには自分には関係ない、勝手にしろた言う。その言葉にカナは怒りを覚え、ラクサスを怒鳴るがラクサスは少しも怯まない。
「ルーシィが……仲間が狙われてるの」
《あ？誰だ。そいつァああ…あの乳のでけェ新人か。オレの女になるなら助けてやってもいいと伝えとけ。それとじじいには引退してオレにマスターの座をよこせとな！はははっ！！》
「あんたって人は…！」
「……Aもやられたのよ」
《は？》
ラクサスの高笑いが止まった。ミラがラクリマの正面からずれると、奥のほうで横になって眠っているAの姿が写る。それを見たラクサスの顔から笑みが消えた。
「Aはルーシィを守るために囮になったの。でも敵の攻撃を受けて…Aがどれだけ危険なことをしたか、Aを誰よりも知ってる貴方ならわかるでしょ！！？ボロボロの体で仲間の為に命まで張って」
《…命まで張って守るほどのもんかよ》
「え？」
黙って聞いていたラクサスが口を開いた。先ほどまでの挑発的な態度とはうってかわって、どことなく怒りすら感じさせる。
●訂正●
すみません。引退がなぜかインターフェースになってました。シリアスな場面なのに……ほんと申し訳ないです。というか、インターフェースってなに？
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作者名：わたがし | 作成日時：2020年3月19日 15時
