第六話 戦争の幕開け ページ18
A視点
ナツたちがガルナ島から帰ってきた日ギルドはファントムからの不意討ちで無惨な姿になっていた。ギルドにはいくつもの鉄の柱の用な物が突き刺さっていて、ギルドは半壊寸。私たちはギルドの地下一階にいた。
「よっおかえり」
「皆帰ってきたのか、おかえり…」
「ただいま戻りました」
「じっちゃん！！！酒なんか飲んでる場合じゃねえだろ！！！」
づかづかとナツがマスターに迫るが、マスターはナツ、ハッピー、グレイに罰として空手チョップをお見舞いした。(ルーシィちゃんはお尻触られてたけど)
そんなマスターの態度にナツとエルザちゃんは怒るけど、マスターはな何食わぬ顔で告げる。
狙われたのは誰もいない真夜中のギルド。幸い怪我人が出てないことや、ギルド間の武力抗争が禁止されてるから反撃したくてもできないのだ。
「先に手ェ出したのあっちじゃねーか！！！」
「それで抗争が認められたらとっくにしてる。マスターも、本当は皆と同じように悔しいんだ」
「マスターのお考えがそうであるなら…………仕方……ないな……」
ナツにハッピーやグレイ、そしてルーシィ、エルザちゃん。それにギルドの皆。悔しさを噛みしめている。ファントムからの嫌がらせがこれだけならいいけど……
「Aどうした？」
「なんか嫌な予感がするんだよね〜」
「予感か……Aの予感はよく当たるからな…」
「あはは！今回ばかりは外れてほしいな。なぁ？エルザちゃん」
だが、私の予感は的中した。
事が大きく動いたのは翌日のことだった。マグノリアの街南口公園、自然に囲まれマグノリアの人々の憩いの場だ。中央にある大樹はこの公園の目印でもある。その大樹に、群衆が集まり驚いた顔で大樹を見上げている。大樹を囲む様に集まった群衆をかき分け、大樹の根本に行くとそこには。
「レビィちゃん……？それにジェット！！ドロイ？！！」
大樹に張り付けにされていたのは、妖精の尻尾の仲間。それも痛め付けられたうえに、張り付けにされレビィちゃんのお腹にはファントムの紋章がつけられていた。
そこに一足遅れてマスターがやってきて、三人の無惨な姿を見て顔を覆った。
「ボロ酒場までならガマンできたんじゃがな……ガキの血を見て黙ってる親はいねぇんだよ…」
そして普段の姿からは想像できない用な表情。その顔はまさに鬼神の如く怒りに満ち溢れている。
「戦争じゃ」
妖精VS幽鬼の戦争が始まる。
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作者名：わたがし | 作成日時：2020年3月19日 15時
