第四話 無力な天使 ページ12
A視点
魔法が使えなくなってから、私はミラちゃんの手伝いや魔法が使えなくてもできそうな依頼を受けてる。
今日はギルドの掃除をしてるんだが……
「ない……一枚足りない」
二階の依頼板から一枚依頼書が無くなってる気がする。いや、そんなわけ……やっぱり足りない。何度見ても足りない……!
誰か取ったのか?いや、私が昨日ラクサスにお酒を届けたときはあったはずだ。じゃその後??だったらラクサスか?
「ラクサス…ここにあったはずの依頼書知らないか?」
「オウ……それなら昨日の夜泥棒猫がちぎっていったのを見たぞ」
「…は?」
「羽のはえた……な」
「はぁぁぁああ?!!」
「Aどうしたの?!大声だして」
私がクエストボートを指差すと、ミラちゃんの顔がどんどん青ざめていく。
「マスター!!!二階の依頼書が一枚無くなっています!!!」
「ハッピーが持ってったらしい…!!」
「ハッピー!!?」
「つー事はナツとルーシィも一緒か!!?」
「何考えてんだあいつ等!!!」
ざわざわとギルドにいた者が、騒ぎ始める。そんな中ラクサスだけが楽しそうに口を開いた。
「これは重大なルール違反だ。じじい!!!奴等は帰り次第、破門…だよな」
「…今はそんな話をしてる場合じゃないだろ!」
「つーかあの程度の実力でS級に挑むたァ…帰っちゃこねえだろうがな。ははっ」
「ラクサス!!なんで止めなかった?お前なら止められただろ?!!」
「A…!」
「オレには泥棒猫が紙キレくわえて逃げてった風にしか見えなかったんだよ」
「お前!」
「まさかあれがハッピーで、ナツがS級行っちまったなんて思いもよらなかったなァ」
「…ふざけるのもいい加減にしろ!!S級がどんだけ危険かラクサスなら知ってるだろ!!!…それになくなった依頼書は、あの…っ!」
__ズキンッ、ズキンッ
「うっ…!」
こんな時に発作かよ…!くそが……!あまりの痛さに耐えれずその場に踞ると、ミラちゃんが駆け寄ってきてくれた。
「あんまり怒んなよ。体に毒だぜ?A」
「ラクサス…!」
「お?アンタのそんな顔久しぶりだなァ」
「マズイのう……消えた紙は?」
「呪われた島ガルナです」
またの名を……悪魔の島。
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作者名:わたがし | 作成日時:2020年3月19日 15時