これは憶測ですが【進撃の巨人】

鉛８ ページ10

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あれからひと月も経たぬうちに王子が亡くなったと伝わってきた。

ローゼへ戻ってきてまもなく、簡単な文を花に結いしかるべき場所へおいた。

結局何の意味もなさなかったようだし、どこの誰かもわからぬ端女(はしため)からの警告などそんなものだ。


それからまたしばらくして、今度はジゼル様の噂を聞いた。
王子を失い傷心の王は生き残った公主をいつくしんでいるらしい。

同じくわが子を失ったレヴィア様のもとに通う話は聞こえない。




なんとまあ都合のいいことだ。



ノアは魚のかけらが入ったスープを飲み干すと食器を片付け仕事へ向かった。


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｢呼び出し…ですか？」


同部屋の子らと洗濯場にむかっていたノアは上官に呼び止められた。

応接室へ来いという。

待たせているから早く行くぞと促され、急いで籠を友人に預け上官についていった。


その間にも上官は周りの兵にも同様に声をかけていたのでどうやら話があるのは自分だけではないらしい。
呼び出されるのが官長室ではなく客間であることに一抹の不安を覚えるが、きっと人手が足りないのだろう。



応接室は本部の東側に位置し簡素ではあるのに重厚感があり、凡兵のノアにとってあまり居心地のいい場所ではなかった。

要は頭が高いという気分である。

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