小夜曲４ ページ43
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人も巨人も寝静まった頃。
星が瞬く音も聞こえてきそうな夜半にノアを迎えに来たのはハンジだった。
兵服でなく髪まで下した彼女は普段の感じでなくはっと目を引く美人だ。向こうから呼びかけられなければ気づかなかったかもしれない。
ぼんやりと彼女のことを見つめてしまっていたのか心配そうに肩をたたかれた。
｢ノア、生きてる？」
｢ハンジさんってお綺麗なんですね」
｢ありがとう？｣
目的地までは30分ほど歩かねばならないらしい。
言っておくがここはシーナ。ルシャナが言っていた壁の上とはまたも後宮のことだったようだ。
他愛のない話をしながらハンジと並んで歩いた。
潤いを帯びた藍色の空には雲一つなく、月は半分の形だったが雲がないだけ煌煌と明るい。
｢立ち入ったことを聞いてもいい？｣
｢何でしょう｣
平素から遠慮も突拍子もない発想や言動を繰り返す彼女からそんな確認をされるのは珍しい。
｢どうして兵士に？ほら、花街の薬屋なんて食いっぱぐれることないじゃない｣
なんだそのことかとノアは表情一つ変えず頷いた。
｢薬草採りに出かけた先で人攫いに遭いました。私なんかを追って奴らを花街に入れたくなかったので訓練所に逃げ込んだだけです｣
｢そっか。いやあ、これでも心配してたんだよ。身体は小さくて華奢で。ほら、キミ言葉数も少ないだろ？｣
ハンジが言わんとすることは分からなくもない。おおよそ身売りのように兵役に就いたのだと思っていたのだろう。
｢ご心配には及びません｣
｢ならよかった！リヴァイなんて1人部屋にしてやれってうるさかったんだから」
｢え、はあ」
初耳だった。契約の対価にしては恵まれすぎていると感じていたが彼の提案だったとは。そういわれれば初めて部屋に入ったときの異常な綺麗さに合点もいく。
なんだかんだ世話好き、おせっかい。やっぱり主婦向きだな。
そんなことを思っているうち、東側の城門に到着した。城壁は我々を外から守る3つの壁までとはいかぬともノアの4倍の高さがある。
｢いたよ｣
半月を背にそれは現れた。
かすかに聞こえてくる歌声。
踊るような妖艶な動きで寝衣が揺れ豊かな金色の髪が月の光を受けて輝いている。
現実のものとは思えぬ美しさでだった。
｢……
｢勘が良いね｣
ハンジもまた女の影を目で追いながら微笑んだ。
｢彼女はセレナ。来月下賜されるお姫様だよ」
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寿司(プロフ) - 如月さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、とてもありがたいです。続編についてですが修正のため一時公開を制限しておりました。只今パスワードを解除しましたのでお知らせいたします。これからもよろしくお願いします。 (12月15日 22時) (
レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - とても好きな作品でいつも続きが気になっています。続きが気になって読みたいのですがパスワードを解除することはできないでしょうか？ (12月15日 17時) (レス) id: a8542e33a5 (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - アイカさん» コメントありがとうございます！拙文ではありますが楽しんでいただけると嬉しいです。 (11月21日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 自分の好きな漫画のクロスオーバー！！中々ない組み合わせなのでめちゃくちゃ嬉しいです！！ (11月7日 21時) (レス) @page16 id: bda3c5db2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司 | 作成日時：2023年10月14日 23時
