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看病4 ページ35

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耳をすますと「あれは調査兵団の」だとか「噂通りのお姿だわ」だとかその大方が人類最強を褒めそやしその容姿に陶酔しているものであったが、遠巻きに見ている女の中から「なんなの、あの女」と毒づくのもちらほら聞こえてきた。これらは当然兵長にも聞こえているはずだが―。


「あの…なにを」

瞬きもせずに見つめてくるのを、次第に視線を逸らす。


「黙ってろ」

最小の声でノアを制したリヴァイの、夜闇から取ってきたようなブルーグレーが近づいてくる。


目があえば反射で失礼な反応をしてしまいそうだ。

ものすごくいたたまれない、周りから恐ろしい空気が漂ってくる。壁際まで擦り寄られ唇が耳に触れそうな距離まで来たところで、甘い蜜の声で告げられた。



「とりあえず、中に入ろうか」
「な、な、にを……」



ぞくぞくと全身が震え髪の毛まで逆立っているような心地に、ノアは口をはくはくと小さく開閉を繰り返す。



周りで悲鳴にも似た声があがる。


女たちにとっては卒倒ものだろうがこちらとしては一刻も早く逃げ出してしまいたい気持である。

げっ、と声を出さないだけマシだと思ってほしい。



「せっかくの王のはからいを無下にするのは、才女には似合わねえんじゃねえか?」


流し目で無駄に蠱惑的に言うリヴァイに侍女らはもう骨抜きになっている。

先ほどまでノアにぎゃんぎゃんと噛みついてきた女とは思えない蕩けた表情で「そうですよね〜!」なんて言って道を開けている。



くそ、こいつ自分の容姿の使い方まで分かっているのかとノアはたいそう不満げに眉間に皺をよせながら、ほら行けとリヴァイに背中を押されレヴィアの寝台に寄り添った。




血の気の失せた枯れ枝のような腕をとる。医者ではないが知識はある。レヴィアは目を瞑ったまま抵抗もしない。かすかに脈は感じるものの一見生きているのか死んでいるのかもわからない。



瞳孔を見ようと顔に触れたときに気づく。





さらりとした感覚。以前と変わらぬ、雪のような白い肌だった。





「同じ、はだいろ…」




ゆらり、よろめきながら侍女の前に立つ。



「化粧係はお前か?」

ノアが押し殺すような声で尋ねると女は得意げに答える。


「ええそうよ、レヴィア様には常に美しくあってほしいもの」


それが侍女の務めでしょ?と余裕綽々たる様子で胸を張る女に、ノアは「そうか」と小さく呟いた。

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寿司(プロフ) - 如月さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、とてもありがたいです。続編についてですが修正のため一時公開を制限しておりました。只今パスワードを解除しましたのでお知らせいたします。これからもよろしくお願いします。 (12月15日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - とても好きな作品でいつも続きが気になっています。続きが気になって読みたいのですがパスワードを解除することはできないでしょうか? (12月15日 17時) (レス) id: a8542e33a5 (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - アイカさん» コメントありがとうございます!拙文ではありますが楽しんでいただけると嬉しいです。 (11月21日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 自分の好きな漫画のクロスオーバー!!中々ない組み合わせなのでめちゃくちゃ嬉しいです!! (11月7日 21時) (レス) @page16 id: bda3c5db2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寿司 | 作成日時:2023年10月14日 23時

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