調薬３ ページ25
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｢大したものだな。仲がいいようで何よりだ」
ノアが退室した団長執務室でエルヴィンは先ほどのやり取りに破顔した。
快刀であるリヴァイとふらりと現れた薬屋だという新兵。リヴァイの下に置くと彼女に初めて言い渡したときはこの世の終わりのような顔をしていたというのにたいそうたくましくなったものだ。
リヴァイもリヴァイで、彼がしてやられる光景は珍しい。しかも一回りも歳の違う娘に、さらにそれを幾分か楽しんでいるようにも見えるなどとは本人にはとても言えないが可笑しくてたまらない。
｢馬鹿言うな、よく口が回るハンジみてぇな奴だぞ。面倒ごとを起こさないだけマシだがそこらじゅうの野草に飛びつきやがる｣
秀眉を顰めうんざりだといった具合に席を立ったリヴァイにエルヴィンは彼にノアを任せたのは正解だったと満足げにリヴァイに続いて席を立った。
あの薬屋に今回の件を持ち出したときの目を、エルヴィンは見逃さなかった。
普段はどこか達観したような言動が、いざ興味を惹かれるできごとに遭遇すると爛漫と目を光らせて姿勢を毅然と伸ばすと、自信に満ちた若々しい面持ちで胸に拳を当てて見せたのだ。
猫のような子だ。
なんだかんだ世話焼きなリヴァイが彼女の首根っこを捕まえて躾を試みる姿も妙に面白く、こちらは新しいおもちゃを手に入れた時のような気分になった。
｢そういうことだ、そいつのことは任せたぞ｣
カップを片付け終えたリヴァイが机上の書類を一瞥する。
そこには贈り物をよこした者の名が記されていた。
エルヴィンとリヴァイは眉目秀麗な男だ。それもありがたいことにその点を気に入って兵団を支えてくれる資産家もあるくらいの。しかしリヴァイの艶福家度合いは時に悩ましく、その最たる例が今回と言えよう。
今日兵団内だけでも女に3人、男に1人声をかけられた。加えて件の貢ぎ物まで頂いてしまったので、今日は夜勤をせずに自室に籠ってやると言う。
切れ者の彼を、の以前に公に心臓を捧げる兵士を寝所し引き入れようとでもしていたのか。不心得も甚だしい。正式なものでなくとも今後沙汰が下ることだろう。
｢寝室に鍵をかけておくことだ｣
部屋を出ていかんとするリヴァイをひやかすと、彼はエルヴィンを刺し貫くほど睨めつけて舌打ちを一つ残していった。
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寿司(プロフ) - 如月さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、とてもありがたいです。続編についてですが修正のため一時公開を制限しておりました。只今パスワードを解除しましたのでお知らせいたします。これからもよろしくお願いします。 (12月15日 22時) (
レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - とても好きな作品でいつも続きが気になっています。続きが気になって読みたいのですがパスワードを解除することはできないでしょうか？ (12月15日 17時) (レス) id: a8542e33a5 (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - アイカさん» コメントありがとうございます！拙文ではありますが楽しんでいただけると嬉しいです。 (11月21日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 自分の好きな漫画のクロスオーバー！！中々ない組み合わせなのでめちゃくちゃ嬉しいです！！ (11月7日 21時) (レス) @page16 id: bda3c5db2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司 | 作成日時：2023年10月14日 23時
