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「本当は、淳太君達には口止めされてた
気にするから言わないでって
また怒られるなぁ笑」
そうクスクス笑うと
次の写真を見せてくれた
クレープを頬張る姿
頬にマヨネーズ付けて笑ってる
いい顔してる
思わずこっちも笑顔になる
「久しぶりの外出だから
色々連れて行ったんです
その時は体調も
悪いなりにも安定してました
でも…俺が帰った後…
日付が変わる少し前に急変しました」
病院からの緊急呼び出し
慌てて向かうと
医師から強い薬を使うと話があった
その薬には鎮静成分が入っている
使うとしばらく目を覚まさない
今の体の状態だと…次は無いかもしれない
「Aは自分の状態も
薬の強さもどうなるかも知ってる
だから、先生の言葉を聞いて
時間が欲しいって言いました」
お兄さんは潤んだ視線を
俺に真っ直ぐ向けた
「淳太君に電話がしたい
声が聞きたいだけだから
1時間だけ時間が欲しいって」
それまで比較的冷静に
話を聞けていたつもりだったのに
胸がギュッと締め付けられて
一気に涙腺が緩んだ
先生が気持ちを汲んでくれて
1時間だけと約束し
全員が部屋を出た
「俺、ドアの前で様子を伺ってたんです
1時間も持つとは思わなくて
そしたら……ッ」
『淳太く……ッ……グスッ………出てよぉ
じゅ……た……くん……
お願い………出て……よぉ……!
おねが………い……』
泣き出したお兄さんが
絞り出すように話した昨夜の様子に
心臓を握りつぶされたような胸の痛みから
俺の頬も濡れていく
「その声が本当に悲痛で…ッ
あんな夜中に何度も何度も掛けて
迷惑なのは分かってたんだけど
止められなかった…ッ」
「ごめ…なさい!
本当に…
本当に気が付かなかったんです」
慌てて謝罪すると
お兄さんは顔をパッと上げ
「淳太君は何も悪くないよ
あんな夜中の電話、出れなくて当然
ごめん、責めてるわけじゃないんだ」
とさみしげに笑った
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向日葵(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます!気がついたら残りが少なくて焦ってます汗あと10話程度に詰め込むか…続編にしてダラダラ書くか…縮めるような文才が無いのは致命的です笑のんびりお待ち下さいませ😊 (5月26日 9時) (レス) @page37 id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - お忙しい中更新ありがとうございます。本当に嬉しいです。今後の展開を想像するとギュッと胸が苦しくなりますが、最後まで皆の想いを見届けます!私も一気に読みたい気持ちと少しずつ読みたい気持ちがグルグル(笑)いい子にして更新をお待ちしててますね (5月26日 7時) (レス) @page37 id: 146cf31383 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 凛さん» いつも優しいコメントありがとうございます(´;ω;`)書きたかったシーンの1つでした。パスはスグに開放すると思うので、前作の2人がいちゃいちゃしてた辺りを読み返してください😊※私も読み返してます (5月9日 12時) (レス) id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 今日も今日とて切な苦しいですね。゚(゚´Д`゚)゚。素敵なお話共有してもらえて本当に有難い限りです。いつもありがとうございます。パス解除早くても早くなくても前作読み返したりしながらお待ちしていますね (5月9日 3時) (レス) @page13 id: 4ef99da948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2023年5月6日 19時