326. 2:30更新 ページ40
いつもの病室なのに
Aが居ないだけで
火が消えたように暗く見える
ぐしゃぐしゃになったシーツ
バラバラになった椅子
昨日の名残がここにもまだある
窓に向かって
ベッド端に腰掛けたお兄さんに
隣に座るように促され
少し離れて座った
「昨日は、少し外出してたんです」
微笑みながらスマホを見せられた
海を見る横顔
手前の広場でピース
どれも嬉しそうに笑っている
「流星から聞いてると思うけど
一昨日の夕方から調子が悪くなってね」
額に汗が滲むくらい
痛いのを必死に隠していた
照史にバレたくないやろうから
早めに帰る事にしたと
昨日の朝に届いた長文メッセージに
書いてあった
「桐山君？が来てくれてたんだよね
嬉しそうだった
……隠したかったんだろうね
2人が帰った後にナースコールが鳴って
看護師が来た時には
酷い痛みで戻していたって」
痛みで吐き気がするって
俺の人生でそんな痛みを経験した事がない
想像するだけで怖い
「翌日になっても
あまり良くならなくて
呼び出された
1日休みとったから
話の後に顔見に行ったら
『横浜に連れてって欲しい』って」
「…横浜？」
「ずっと探してる場所があるんです
横浜の海」
そんな話をアイツから聞いたことはない
横浜の海ってなんだ？
「今までも1人で
何度も何度も行ってます
そんで帰れなくなって
迎えに来てー！って電話きたりね笑
……昨日もやっぱり見つからなくて
だから聞いたんです
元カレとの思い出の場所なんだろって
会いに来てくれてたんだから
頼めばいいって
そしたら…」
3年くらい前
深夜にフラッと来ただけ
覚えてなかったら寂しいから
1人で探してると彼女は言った
・
そうか、思い出した
きっと照史は覚えてる
だって
Aが居なくなってから
探し回っていた場所の1つが
海だったから
どこ、とは言ってなかったけど
車で行ける範囲だったから
横浜なら
納得や
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
向日葵(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます！気がついたら残りが少なくて焦ってます汗あと10話程度に詰め込むか…続編にしてダラダラ書くか…縮めるような文才が無いのは致命的です笑のんびりお待ち下さいませ😊 (5月26日 9時) (
レス) @page37 id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - お忙しい中更新ありがとうございます。本当に嬉しいです。今後の展開を想像するとギュッと胸が苦しくなりますが、最後まで皆の想いを見届けます！私も一気に読みたい気持ちと少しずつ読みたい気持ちがグルグル(笑)いい子にして更新をお待ちしててますね (5月26日 7時) (レス) @page37 id: 146cf31383 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 凛さん» いつも優しいコメントありがとうございます(´；ω；｀)書きたかったシーンの１つでした。パスはスグに開放すると思うので、前作の２人がいちゃいちゃしてた辺りを読み返してください😊※私も読み返してます (2023年5月9日 12時) (レス) id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 今日も今日とて切な苦しいですね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ。素敵なお話共有してもらえて本当に有難い限りです。いつもありがとうございます。パス解除早くても早くなくても前作読み返したりしながらお待ちしていますね (2023年5月9日 3時) (レス) @page13 id: 4ef99da948 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：向日葵 | 作成日時：2023年5月6日 19時
