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「あ、待って」
裕「買おうや」
「違うの」
裕「何が?」
「こっちの子が欲しいの」
少し恥ずかしそうに、違う色の同じぬいぐるみを差し出す。
裕「わかった(笑)」
「今5歳児って思ってるでしょ」
裕「俺の娘はマイロとアルビーで充分なんやけどなー」
「もう、そうやって茶化す」
裕「でも5歳児抱かれへんしなー?」
意地悪そうな視線を送って、裕太は写真立てとともにレジへと持っていった。
こうして2人は動物園を後にして、自宅の方に向かう。
裕「可愛いやん」
タクシーの車内でAのぬいぐるみを出して見つめている裕太。
「ん、可愛いね」
裕「この子見つめてるAちゃんも可愛かったけどな?」
「もう、私のことはいいから」
裕「素直に欲しいって言ったらよかったのに」
「だって...もうこんな歳になってぬいぐるみ買ってもなーって...思っちゃったんだもん」
裕「そんなん気にすることちゃうやろ」
「そうかもしれないけど」
裕「別に俺はAちゃんちがぬいぐるみだらけでも平気やで」
「ん...」
恥ずかしそうに俯くと、裕太が優しく手を取った。
裕「夕飯、何にする?」
「何か作ろうか」
裕「じゃあ、和食がいい」
「肉じゃがとか?」
裕「ん、そういうやつがいい」
わかった、と言って近所のスーパーでタクシーを降りた。
裕太がカゴを持って、反対の手でAの手を握る。
いつも通りの光景。
裕「肉あるん」
「ん、冷凍してるのがある」
裕「他に何かいる?」
「んー、多分大丈夫だと思う」
裕「じゃあ行こか」
こうして2人はAの家に帰ってきた。
「ゆっくりしてていいよ?」
裕「野菜の皮むきくらいするって」
「じゃあ...お願いします」
Aと付き合って半年ほどで、以前に比べてグッと料理のスキルが上がった裕太。
それもこれも、Aの手伝いをするためにAから教わったおかげ。
裕「これでいい?」
「ん、上出来」
後はゆっくりしてて、と言うAを裕太はまたじーっと見つめる。
「じゃあ...今日は切るとこまでお願いします(笑)」
そう言うと、満足げにAに切り方を教わった。
こうして2人は出来上がった夕飯を仲良く食べる。
「口があるんだから、言いたいことは言ってくれたらいいのに」
裕「Aちゃんも結構無言で訴える時あるで」
「そうかな?」
裕「絶対あるって」
結局似た者同士の2人なのだった。
EP3 -The End-
_____Episode 4____→←____い_____________
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べてぃ。(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!ほのぼのした感じが伝わって嬉しいです(^^)今後とも、よろしくお願いします! (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - BBZ-rarayupiさん» 返信遅くなりました。そう行ってくださると嬉しいです(^^)今後ともよろしくお願いします。 (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。ほのぼのてした感じで、可愛いカッコいい裕太くん最高でした!めっちゃきゅんきゅんしました〜! (2020年1月20日 22時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
BBZ-rarayupi(プロフ) - もう、きゅんきゅんしすぎてじあわぜ〜です笑 (2019年12月29日 23時) (レス) id: 44d872b8cc (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - こことさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(^^) (2019年12月20日 3時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べてぃ。 | 作成日時:2019年11月6日 0時