【98】サンドイッチ ページ7
コナン「え? どういうこと? Aが誘われたっていう家族は朝日奈風斗の家なの?」
A「そ、そうなの。ごめんね、別に隠してたわけじゃないけど、紛らわしくなると思ったから……」
コナン「…………。」
あとで詳しく話すから__と言い、とりあえずその場は納める。
風斗「まぁ、そのお花見には僕行かないけどね」
A「うん。弥くんも言ってた。確かCM撮影が入ってるんでしょ?」
風斗「そう。__自分で選んだ道だとはいえ、そういう家族イベントには滅多に参加できないんだ。可哀想でしょ、僕?」
風斗はそこで、わざとらしい"いかにも悲しそうな"笑顔をつくる。
その姿は、まるで棄てられた仔犬のようだ。
Aやコナンでなければ、おそらくほとんどの女子がその雰囲気にのめり込んでしまうだろう。
彼の顔から目が離せられない。
風斗「……だからさ」
席から立ち、より一層、Aの机へ近付いてくる風斗。
屈んでAたちに視線を合わせると、彼女たちだけに聞こえるようにこう囁いた。
風斗「サンドイッチがいい」
僕の好物なんだ__っと、風斗は続ける。
コナン「ちょっ……ちょっと待って風__じゃなくて朝日奈くん! 君がサンドイッチ好きなのは分かったけど、花見にリクエストしても、君は__」
風斗「うん。僕は花見は欠席だよ、長谷川さん」
それならばリクエストしたところで彼はサンドイッチを食べられないではないか___
Aとコナンは同時にそう思った。
けれど、どうやら風斗には何か策があるらしく、仔犬のような表情のまま言葉を続ける。
風斗「だからせめて__皆と同じものが食べたいからさ。もし、Aがサンドイッチを僕が仕事に行く前に持ってきてくれたら、僕は撮影現場でも淋しくないと思うんだ」
A&コナン「…………。」
風斗「あっ、でもそれだとAが大変だよね? 皆の分と僕の分作らないといけないもんね。無理しなくてもいいよ。うん、僕は別に添加物たっぷりのロケ弁も好きだから」
A&コナン「…………。」
仔犬のような表情。
悲しげに笑う美少年。
女子にとって、これを断ることができることができるだろうか。
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美優 - 雅臣が何て言ったのか、これからの話が凄く気になります。更新頑張って下さい! (2018年3月19日 10時) (レス) id: 79c6c44529 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - すっごく面白いです。更新待ってます!! (2017年9月25日 7時) (レス) id: e2830e86e4 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になるのですが、このストーリーはこれで終わりなのでしょうか? (2017年3月7日 20時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
☆NATU☆ - この小説大好きです。これからも応援しているので更新頑張ってください!! (2016年10月27日 17時) (レス) id: 1d0876d3b6 (このIDを非表示/違反報告)
智代 - 続ききになるなー!これからも応援してます! (2016年7月16日 23時) (レス) id: a125dbb856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あややん | 作成日時:2014年11月3日 1時