【ﾌﾞﾗｺﾝ】part３千秋の妹が色々とヤバイのだが…

【134】大人と子供 ページ49

雅臣「ごめん!」


彼にしては大きな声だった。


自分より年上で、自分より背の高い男が目の前で頭をおろしていた。


1秒……


2秒……


3秒……


空間が停止したかのように、
その時間は長く感じられた。


A「……雅臣……さ…ん？」



癖のある彼の髪がわずかに揺れる。


そして、喉の底からしぼり出すような声で雅臣は話しだした。


もちろんAとは目を合わせず
頭をさげたままで。


雅臣「……30にもなる男が女子高生に無理矢理キスするなんて……気持ち悪かったよね」


そんなこと__、Aはそう言い返そうとした。


けれど、その言葉より早く雅臣が次の言葉を口にする。


雅臣「僕は大人で、長男で、みんなの手本にならないといけないないのに…………」


A「……」


雅臣「……いくらお酒で酔っていたとしても最低の行為だよ。Aちゃんのことは本当の妹のように大切にするって決めていたのに」



A「で、でも! でも!!雅臣さんは助けてくれたじゃないですか！ 私はあの時、すごく嬉しかったし、そのあとのキ、キスは……そのっ、びっくりはしましたけど、私は…その……雅臣さんのこと……」



い、言わなきゃ!


喉がごくりと鳴る。


私は雅臣さんのこと……



A「すっ、好きです!」

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