【125】男と女。 ページ39
A(雅臣さん……雅臣さん……雅臣さん!)
ズンズンズン……といった効果音で歩いている。
今日の授業中はその人物のことしか考えられなかった。
教師に質問されても、ぽーっと上の空。
体育の授業では何回転んだことか。
私の珍行動に心配するクラスメイトと、そのわけを知って苦笑いをしている親友。
色んなことがあった1日だけれど、
それも終わってやっと家路につくことができた。
そしてAは現在、
マンションの5階フロア……つまり朝日奈家の共有部分の前に来ていた。
A(……さりげなく、さりげなく雅臣さんの反応を見るんだ!)
ここを訪れた理由は只ひとつ。
雅臣の反応をみるため。
"昨日のお礼"ということで、手には菓子店で買ったチョコレートを持ってきた。
深呼吸を1回……
いや10回繰り返す。
そして震える指でインターホンをおした。
?「はい?」
応答の声。
残念だが、それは雅臣のものではなかった。
A「Aです」
?「今、開けるから待ってて」
扉から出てきたのは、 Tシャツにジーパンといったラフな格好の男。
彼はAの顔を見るなり、とびきりの笑顔をつくった。
椿「Aちゃん☆ どーしたのー? もしかして俺に逢いにきてくれたの!?」
A「……椿さん」
元気で明るい声優のお兄さんは、今にも飛び付いてきそうだった。
A「今日はその……雅臣さんに用事がありまして……」
椿「雅兄?」
椿の眉が片側だけ上がる。
どうやら違和感を感じたようだ。
椿「雅兄だったら、さっき弥と子供番組の観覧会に行ったけど……伝言つたえておこっか?」
帰りは遅いよ__と言葉を続ける。
A(……なんだ、居ないのか雅臣さん)
しょんぼり。
椿「……?」
A「あ……いえ、その……雅臣さんに昨日のお礼をしたくて……」
椿「お礼?」
A「えっと……じゃぁ……いいです。また来ます。あ!こ、これ。チョコレート! 良かったら皆さんで‼」
椿「……ありがと」
そう言うと、走るように去っていくA。
Aのはじめての恋愛アタックは__空振りに終わった。
そのころ、
残された椿は、様子のおかしいとAと、手の中にあるチョコレートの包みを交互に見て
椿「……お礼って……なんだよ?」
と、呟くのだった。
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美優 - 雅臣が何て言ったのか、これからの話が凄く気になります。更新頑張って下さい! (2018年3月19日 10時) (レス) id: 79c6c44529 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - すっごく面白いです。更新待ってます!! (2017年9月25日 7時) (レス) id: e2830e86e4 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になるのですが、このストーリーはこれで終わりなのでしょうか? (2017年3月7日 20時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
☆NATU☆ - この小説大好きです。これからも応援しているので更新頑張ってください!! (2016年10月27日 17時) (レス) id: 1d0876d3b6 (このIDを非表示/違反報告)
智代 - 続ききになるなー!これからも応援してます! (2016年7月16日 23時) (レス) id: a125dbb856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あややん | 作成日時:2014年11月3日 1時