【ﾌﾞﾗｺﾝ】part３千秋の妹が色々とヤバイのだが…

【120】乙女 ページ31

次の日___




Aは朝ごはんも手につかなかった。



せっかく用意した目玉焼きも１口しか手をつけていない。



A(……ううっ)




病気ではない。



お腹が空いていないわけでもない。



しかし、Aの頭はあること__いや、ある人物のことでいっぱいで、どうにも他のことが手につかなかった。



A(……雅臣さん)




思い出すのは、昨晩のこと。




男に連れ去られそうになったとき、助けてくれた彼__




冷静で、落ち着いていて、





すっごくかっこよかった。




そしてそのあと２人は___




A(きゃああああ////)




思い出すだけで顔が真っ赤に染まる。




A(私……キス、しちゃったんだ！ あの雅臣さんと！！ しかも激しいの！！！)




やだ、


やだ、


やだ、


超恥ずかしすぎる………！！！




A(なんで雅臣さん、あんなこと？__私もそれを受け入れて……)




その場の雰囲気にのまれたのだろうか……？




それとも、酔ったいきおい__？



いや、違う。




雅臣さんはどうか分からないけど__




A(……私はたぶん……)





Aは初めて自分の中に芽生えた感情にドギマギとしていた。




A(……っていうか)




A「もう……雅臣さんの顔、恥ずかしくて見えないよぉ」



Aの抱いたこの感情が、朝日奈家兄弟をこれから惑わしていくなんて本人は知るよしもない。





乙女は





恋をしたようだ。

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