【ﾌﾞﾗｺﾝ】part３千秋の妹が色々とヤバイのだが…

【１０９】迷いの要 ページ20

〜〜〜〜 side要 〜〜〜〜



『好きな人は……秘密です』



　その返答を聞いたとき、俺は彼女を卑怯だと思うしかなかった。



　酒の席だから訊けた質問。



　はっきりいって俺は、彼女には好きな相手がいると答えてほしかった。




　あの日＿＿＿



　Aちゃんがマンションに越してきたとき、俺は一目で彼女に恋をした。




　だけど俺と彼女は年も離れていて、同じマンションの住人＿＿それか友人の妹ということぐらいでしか接点がない。



　悔しいが同じ学校に通う侑ちゃんたちや、彼女の趣味に通じるつばちゃんたちの方が、恋愛的に見て分があるのは明らかだった。



　だから彼女が「好きな人がいる」と答えてくれていたのならば、俺はすんなりとこの想いを断ち切れていたと思う。




　
　だって、その彼女の想い人が俺である可能性は１００％ないのだから。






諦めもつく__はずだった。




　しかし、



　彼女の答えは「秘密」という中途半端なもので表現された。



　いるのかいないのか分からない。



　１番卑怯な答え。



　これでは、俺はこの恋心を断ち切れないだろう。



　




　彼女は俺を迷わしている。


　


　


　
〜〜〜side要 終〜〜〜〜〜
　


　
　

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