【105】花見の席取り ページ16
花見会場は、すでに満員御礼の状態であった。
かろうじて人間が歩く通路は確保されているが、それ以外は一面ブルーシートやゴザで覆いつくされている。
茶色い地面が見える箇所が極端に少ない。
右京「……やはり、要たちに席取りをさせておいて良かったですね」
椿「去年より客多くね?」
まるで人がゴミのようだ__とは言わない。
侑介「あー! やっと来た!!」
そして予めメールで教えられていた場所に向かうと、なかなかの場所にシートを敷いて座っている兄弟を見付ける。
要と昴にいたっては、待っている間にすでに缶ビールを2本購入して飲んでいたようだ。空き缶が転がっている。
右京「まったく、待ってられなかったんですか?」
要「ここは見逃してよ、京兄。俺たち席取り頑張ったんだから」
靴を脱ぎながら、半笑いでシートにあがっていくAたち。シートは大きめのもので、これなら全員が余裕で座ることができる。
雅臣「……それにしても、ずいぶんと良い場所がとれたね?」
座ると分かることだが、その場所は桜の木がトンネルのようになっているところであり、最も良い花見の特等席だといえる。
おそらく、この席は競争率が高かっただろう。
侑介「それが凄かったんだぜ! 他にもここを狙ってたオッサン達がいたんだけどさ、昴兄が入り口から猛ダッシュして、光の速さで席を陣取ったんだ!!」
要「うんうん、あれはビックリしたよね〜。すばちゃんが、まるでオバケみたいに障害物や人を掻き分けて」
昴「あ……あれは、別にいつもバスケで敵を追い抜かしてるから……それと同じで」
モゾモゾと話す昴。
顔が赤いのは恥ずかしがっているせいなのか、それとも缶ビールのせいなのかは__分からない。
右京「そうですか、それは昴の手柄ですね。では、お腹も空いたでしょう。さっそくお弁当を並べますね」
椿「まずは昴の功績にカンパイだな☆」
昴「えっ……いや、その」
そして次々と並べられていくお弁当。
そこにはAの作ったサンドイッチも置かれた。
右京「……棗ですが、少し遅くなるみたいですので先に始めてしまいましょう」
雅臣「じゃぁ、みんなコップは持った? __綺麗な桜と、そんな席を取ってくれた昴に感謝して……」
全員「かんぱーーーいっ!!!」
桜の花弁が舞う中、朝日奈兄弟+Aの元気な声が響いた。
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美優 - 雅臣が何て言ったのか、これからの話が凄く気になります。更新頑張って下さい! (2018年3月19日 10時) (レス) id: 79c6c44529 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - すっごく面白いです。更新待ってます!! (2017年9月25日 7時) (レス) id: e2830e86e4 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になるのですが、このストーリーはこれで終わりなのでしょうか? (2017年3月7日 20時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
☆NATU☆ - この小説大好きです。これからも応援しているので更新頑張ってください!! (2016年10月27日 17時) (レス) id: 1d0876d3b6 (このIDを非表示/違反報告)
智代 - 続ききになるなー!これからも応援してます! (2016年7月16日 23時) (レス) id: a125dbb856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あややん | 作成日時:2014年11月3日 1時