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かみちゃんが配送の仕事で、流星は用があるからと朝から出掛けて行った。大ちゃん、望は遅くまで仕事で店番としてひとり立ってた。
カツン、とヒールの音がしたと思えば親友の姿がそこにはあった。私の方に歩み寄って来ると乾いた音と共に頬に痛みが走る。何となく分かってた事やけど、結構痛い。
「…なんでいつも、アンタなの、」
「いっつもアンタにとられてばかり」
「……もう、顔も見たくない、」
私だって沢山嫌な思いしたよ
私が何か悪い事をしたんなら謝る。
それが分かんないから、勝手に怒られても困る。
……親友、は結局私だけが思ってた事か。
泣き腫らした顔は見てられなくて、その原因が私なのかと思えば胸が締め付けられる。
『ごめんね』
出た言葉はもう誰にも拾われる事は無かった。
エゴも何もかも思わなかった。
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「A店番任せてごめんな」
『ううん、原嶋さんが来て久しぶりに会えたんよ』
「ほんま?良かったやん!」
かみちゃんが帰って来て店を閉めた。
もうふたりに会う事は無いやろうから、少しだけ身体が軽くなったような気がする。
『かみちゃん、今日ご飯作ってもいい?』
「ええけど、あ、買い物行くなら車出すで」
『ひとりで行ってくる。かみちゃんは休んでて。…あ、大丈夫やから!絶対休んでてね!!』
「分かったって、笑でも帰ってくる時連絡入れてな」
かみちゃんを言い聞かせて財布を持って家を出る。
今日は何をしようかな、
沢山食べたい気分やから気にせずに具材を籠に放り込んでいく。みんなが苦手な物はちゃんと覚えてるからそれは避ける。買い物を済ませてしっかりかみちゃんに連絡を入れたら直ぐに既読が付く。
ゆっくり帰ってれば流星に会って、そのまま一緒に帰ることに。荷物持つって言ってくれて半分持ってもらおうと甘えようとしたけど、違う匂いがして何だか変。
顔もなんか見れなくて、結局荷物を持つのは断った。
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☆(プロフ) - 毎日更新楽しみにしていました!読み終わっても何度も読み直すほど好きなお話です(´ω`)続編だして欲しいな〜と密かに思っております...♡ (2023年4月9日 3時) (レス) @page41 id: b2a7d98e1c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - とっても素敵な作品で一気読みしちゃいました(T-T)更新心待ちにしてます! (2023年4月6日 4時) (レス) @page39 id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年11月10日 21時