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気が付いたら望の肩で眠ってて、
起きて目が合うと望は目を細めて笑う。
その表情に不思議に思いつつ、辺りを見渡せばみんなが居て更に戸惑う。ソファで寝てた私が悪いけど、そんな見つめてくる?
「大事な話があんねん」
『……え?』
かみちゃんが目の前に来て、あの人が捕まった事を知った。偶然原嶋さんが店の方に来て、ウロウロしてる所を通報したらしい。
なんて言うか、びっくりした。
そんな偶然あるんや、って他人事のように思う。
これで不安に思う事が無くなるんなら良かったって一安心やけど、思い浮かぶのは親友の顔。赤ちゃん産まれたっていう大事な時期にそんな事があったのなら気が気じゃ無いはず。連絡先はまだ持ってるけど、メッセージを送る勇気は無い。
『…私のせい、よね』
「なにが?」
『……ううん、何でもない。心配かけてごめんね』
「原嶋さんがこれAにって」
流星から受け取ったのは有名なケーキ屋さんの詰め合わせ
中には手紙も入ってて可愛らしい内容のもの。
ホッコリしてモヤモヤが解けた。
『色々と迷惑かけてごめん、明日からちゃんとやる』
「仕事の事は気にせんといて。気持ちが落ち着いてからでええから」
「かみちゃんの言う通りやで、自分の事を優先して」
かみちゃんと大ちゃんにそう励まされる。
何か甘やかされてるな〜、とは思うけど今はこれくらい甘やかされたい。
私が被害届を出して無いからそこまで問われるような事は無いはず。無事に出て、親友とゆっくり暮らして欲しい。前と変わらないエゴやけど、そうなって欲しい。私の為にも。
『あ〜、安心したらお腹空いた!』
「クレープめっちゃ食べてたのに?」
『それナイショって言ったやんか!(笑)』
大ちゃんにバラされて、みんなから「太るで〜」だなんていじってくる。
…これがいい、こんな感じで笑い合っていきたい。
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☆(プロフ) - 毎日更新楽しみにしていました!読み終わっても何度も読み直すほど好きなお話です(´ω`)続編だして欲しいな〜と密かに思っております...♡ (2023年4月9日 3時) (レス) @page41 id: b2a7d98e1c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - とっても素敵な作品で一気読みしちゃいました(T-T)更新心待ちにしてます! (2023年4月6日 4時) (レス) @page39 id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年11月10日 21時