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キッチンに立って作ってたら後ろに流星が来たのが分かって、いつもみたいに腕が回ってくる前に熱を交わす。
『いま火使ってるから危ないで、また後でね?』
「…ん、」
振り向いてそう伝えれば、あからさまに嫌な顔をして視線を逸らされる。さっきからずっと違う匂いがして、私も何だか嫌な気分になってく。
知らない流星が見えた気がして、そっと距離を置く。
タイミング良く大ちゃんが帰って来て玄関の方に向かう。お風呂入れてたから先に入るよう促せば、疲れ切ってた大ちゃんはフラフラな足取りでお風呂場へと向かう。
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大ちゃんが上がってくると同時に今度は望が帰って来た。
望ももうすぐ充電が切れそうやから、お風呂に促して先に3人で食べて貰う事に。
「あれ、Aご飯食べてへんの?」
『望待ってた』
「え〜、めっちゃ嬉しい」
『とりあえず早く洋服着て』
適当に洋服を渡して、今日はハンバーグを作ってたから望はそれを見るとあからさまに口角を上げる。
食べ終えれば目がくっつきそうで、自分の部屋へと連れて行く。最近望とゆっくり話せてへんから少し寂しい気もする。疲れて帰ってくる事が多くて、無理に話しかける様な事も出来んから、落ち着いたら話したいな
そんな事を思いつつ、リビングに降りてくれば流星が片付けをしてくれてて、お礼を言えばムスッとした表情を私に向けてくる。
『え、なに?』
「俺なんかAに嫌な事した?」
『何でそんな事思うん?』
「俺に冷たいから」
流星が近づいて来て、さっきは見えなかった首筋が見に入る。
耳の下辺りには赤い痕が見えて、流星から視線を逸らす。…あぁ、やっぱり流星は分からへん。何を考えてるのとか、あの言葉は本当なのかとか。
「何かしたんなら謝るから言うて」
『……ううん、』
知らない香水の匂いも、
その痕も、
私以外に女の子は居るんだろうなと思えば胸の当たりがチクチクと痛む。
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☆(プロフ) - 毎日更新楽しみにしていました!読み終わっても何度も読み直すほど好きなお話です(´ω`)続編だして欲しいな〜と密かに思っております...♡ (2023年4月9日 3時) (レス) @page41 id: b2a7d98e1c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - とっても素敵な作品で一気読みしちゃいました(T-T)更新心待ちにしてます! (2023年4月6日 4時) (レス) @page39 id: 6089ae5abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2022年11月10日 21時