Unrequited Love 【朔間凛月】 (ページ10)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:17,156 hit

・ページ10

(こ、これはあーんをしてもいいの･･･？)

悩んだ挙句、あーんすることにした。

『分かった。やってあげる。』

桃｢本当？なら頑張って食べる！｣

フォークを手に取り、ピーマンを刺す。

『はい、あーん。』

桃｢あ、あーん。うーん･･･、苦い･･･。｣

『大丈夫、苦くないよ。ほら、あと少しだから頑張ろう？あーん。』

桃｢あーん。｣

桃李くんがピーマンを飲み込んだことを確認できたので、

『嫌いなものもちゃんと食べれて偉いね。頑張ったね！』

と頭を軽くポンポンと撫でながら桃李くんに向けて言う。

やはり弓弦さんの視線が痛い。

桃｢えへへ〜、Aのおかげだね！ありがとう！！｣

『いえいえ。』

桃｢食べ終わったから一緒に遊ぼう！約束したでしょ？｣

『うん。』

桃｢じゃあ、弓弦は帰っていいよ。｣

弓｢そんな！わたくしも坊っちゃまと遊びたいのですが。｣

桃｢弓弦とはいつも遊んでるでしょ？今はAと遊ぶの。また後で遊んであげるから、ね？｣

弓｢･･･はい！では仕事に戻ります。仲良く遊んでくださいね。｣

『はい、分かりました。』

｢失礼しました｣と一礼しながら言い、部屋を去っていった。

桃｢ねぇねぇ、この絵本読んでほしいな。｣

『絵本？』

桃｢そう！これお気に入りなんだ。｣

『そうなんだね。じゃあ読もうか。』

桃｢うん！｣

表紙を見る限り、姫と王子(？)のお話のようだ。