Secret meeting【礼瀬マヨイ】 (ページ27)

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理屈じゃないページ27

聞き間違え…？
いや。でもそんな…え？？

『もう１回お願いします』

マ「好きです」

いつも以上に眉をひそめ、辛そうな表情のマヨイさん。
不覚にも綺麗だと思ってしまう自分がいる。

『えっと…』

なにか言わなきゃ、と思うほど喉につっかえて言葉が出てこない。

マ「あっ、大丈夫です…！一方的なあれですし、その…私が伝えたくて口走っちゃっただけですから…！」

ちがう、そうじゃないよ。
私も好きって言いたいけど、私たちプロデューサーとアイドルの一線があるから超えちゃいけない気がして。

ああ、ダメだな。
また涙が出てきちゃう。

『私も、マヨイさんが』

『好きです』

もう引き返せないなあ、言っちゃった。

マ「…あのぅ、もう一度言っていただいていいですか…？」

さっきまでとはうってかわり、理解できない様子。

『…私の真似ですか？』

『マヨイさんが好きって言ったんです』

恐る恐るマヨイさんの様子を伺うと目を見開いて口を開けてる。

マ「こんな私のことを好きな人が居るなんて…Aさん冗談ですよね…？」

右に行ったり左に行ったり、マヨイさんのお目目は忙しいな。

『マヨイさん、あんまりそういうこと言うと怒りますよ』

マ「ひぃっ…すみません？！疑り深くてすみませぇん？！」

『いいですか、マヨイさんが思っている以上にマヨイさんのこと好きな人たくさんいますからね』

『むしろなんで私の事好きなのかわからないんですけど…？もっと良い人居るんじゃないですか』

数秒の間が空いてマヨイさんの答えが帰ってくる。

マ「…えっと、なんていうか…Aさんだったんです」

マ「こういうのって、理屈じゃないと思って…。なんで、とかこうだから好き、とかないと思いますぅ。図々しくてすみません…」

マ「だからなんというか…お互い様？ですね？」

『…ふふっ。何が何だかもうわかんないです』

確かにそうだな、理屈じゃないよね。
どこが好き、ここがこうだから好きとか一々探すの、私はめんどくさいから抜けさせてもらう。