伍 ページ6
「...っていうことがあって...」
「う〜ん!!やっぱり団子は稲妻のが1番だな!」
「なぁ旅人?」
「そうだねパイモン」
「ちょっと2人とも、真面目に聞いてください!」
晴れ晴れとした空気に暖かく穏やかな風が音を立てて吹いている
その空間からは3人の話す声が聞こえてきた
「私、あの後ちゃんと考えて気づいたんです」
「よく見たら全くの別人だったって....」
頬を赤らめてやってしまったとばかりに顔を手で覆うAの横には美味しそうに団子を頬張る友人の旅人とパイモンがいた
「初対面の方に...あんな...あんなことを私は...」
「仙人として不甲斐ないです...岩王帝君に顔向け出来ません...」
「稲妻に鍾離はいないから安心しろA」
「それに、オイラだって清心をスイートフラワーだと思って食べちゃったこともあるぞ!」
「あの時は甘雨になった気分だった...」
「パイモン、それ全然フォローになってないよ」
「なんだって!?」
微笑ましい会話をしている2人を見ると、なんだかこちらまでそんな気分になってしまう
旅人とパイモンはAにとって数少ない貴重な話し相手だ
こんなやりとりしかしなくてもAは2人と話す時間を大切に、有意義に思っていた
「じゃあなんでAは自分が探してる人だって思ったの?」
団子にしか興味が無いパイモンを横目に旅人とAは話を進める
「確かに似ていたんです」
「どこか懐かしい気がして...」
何かを思い出すように話すAを話を聞いていた旅人とパイモンは不思議そうに見つめた
少しの沈黙が流れ、はっとしたように声を出す
「...すみません、こんな話をしてしまって」
「そろそろ仕事に戻らないと」
「あぁ!またいつでも相談に乗ってやるからな!」
「パイモンは団子食べてただけでしょ...」
「ふふ、ありがとうございますパイモンさん旅人さん」
2人を見送った後、縁側に1人で座ったAは静かに神櫻を見上げ、今朝起きた出来事をもう一度思い返していた
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作者名:ねね | 作成日時:2023年12月4日 22時