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参 ページ4
からからと聞きなれたような下駄の音が近づく
「やはり少々早く来すぎてしまったでござるか...」
目を見開き呆然と立ち尽くすAの前には少し気恥ずかしそうにそう呟いて辺りを見回す1人の少年がいた
「...やっと...戻られたのですね...」
「？おや、人が居たのとは気づかずに失礼した
参拝にやって来たのだが...」
その瞬間、Aは少年に勢いよく抱きついた
「あ、ちょっ...！」
突然のことに体勢を崩した少年とAはそのまま地面に倒れかかる
少年が戸惑うように自身の胸の中にいる少女を見下ろすとそこには涙ぐむAがいた
「遅すぎます...私がどれだけ心配したか...！」
震えながら言葉を口にするAの手に握られている少年の着物の裾はその少女によって更に強く握られる
「じょ、状況は把握出来ないでござるが、一旦この体勢を何とかするでござる...」
そう言って泣いている少女を抱き起こす少年は少し
顔が赤くなっていた
その時のAはこの出会いが自分の長い人生の起点の始まりになるなんて考えもしなかっただろう____
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作者名：ねね | 作成日時：2023年12月4日 22時
