あいつ何系なの！？【桃】4

赤い系 ページ10

貴方side


りんご飴食べて、焼きそば食べて、たこ焼き食べて…かき氷も食べて……


さ「食べてばっかりじゃねぇか」

『一日中勉強で腹減ったんだよ』

さ「あっ補習だったのか、乙」


口から出てくる言葉は全て毒なのかこいつは。横を向いてる顔は、なんともイケメンなのに腹が立つ。

はぁ…なんでこんなやつと…


さ「おいっ！」

『へ？』


いつの間にか下を向いていた私の手首を掴み、グッと引き寄せる。

何なのこいつ──とでかけた言葉もその怒っている顔で喉につっかえた。


さ「人混みなんだから下向いて歩いてたらはぐれるだろ…」

『あぁごめん』

さ「ったく…」


手首を掴む手も、何故か今は恋人繋ぎ…乙女ゲー以外での、現実で恋人繋ぎだなんて。

平然とできるから流石イケメンと言うべきか。


花火の前だから、今の私を見る人がいなくて良かった。
こちらを振り向くなとさとみにも念を押しておこう。

こんな赤くなった顔、花火の前では誤魔化せると信じて。


〜


下駄の音がコツコツとなる。

祭りの騒音から一足早く抜けて、花火を見る場所を探す。

どんどん人気のない方へ階段をあがっていくさとみに無言でついていった。


『ぁ…すごい……』

さ「ここ、綺麗だろ？前にころんと来た時に見つけた」

『男ばっかりじゃん』

さ「確かに、女子とくることなんて少ないしな」


そんなことを言っていると、1つを初めにどんどん花火が上がる。

ニコニコマークだったり、はたまたカラフルで大きかったり…


そして、ハートだったり。

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