あいつ何系なの！？【桃】4

荒ぶる系 ページ9

さとみside


急に呼び出されたと思ったら、服を着替えさせられ待たされ…


さ「マジでなんなんだよ」


そうやってしばらく怒っていた。

後何分かしたら帰ってやろうと思っていたほどだったのに──



目の前に天使が走ってきた。



『やられたなぁ…』


そんなふうに困り果てている声はいつもの海だ…と自分自身に言い聞かせる。

ふわふわと巻いた髪をくるりと上で束ねる。
俺好みなシンプルな簪を刺し、濃すぎないふんわりとした素材を生かしたナチュラルメイク。

そして何よりも…


『ペア？』

さ「…っぽいな」



誰がどう見てもわかるくらいの着物のペア感。

セットで買ったのだろうか、これはまさに、


恋人が二人で着る用だろう。


紫崎は何を考えているんだ？あいつは誰の味方なんだよ。

ずっとライバルの味方だと思っていたやつがこんなことしてくるなんて…だが、そんなことにも頭が上手く回らないほどの力で殴られた可愛いの暴力。


『さとみ？』


天然で、首を少し傾げて上目遣いで聞いてくる。これがこいつの普通である。

こんなの誰でも勘違いするだろ


さ「っ、とり、あえず…屋台でも回るか？」

『ぇ、…』

さ「まぁ…折角来たし？それに"馬子にも衣装"だしな」

『最低野郎め、全部お前の奢りだ』


よく耐えた俺。そして、なぜ素直に褒められないんだよ俺。

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