episode5 ページ7
Aは疲労が主因の風邪。
夜兎なので、明日には治るだろうと言われたので俺達3人はひとまず安堵の息を吐いた。
だがAは気を失っていて、まだ眼を覚ましていない。
珍しく総悟が、捨てられた仔犬のような顔をして言った
「A姉さ〜ん…目ぇ覚ましてくだせェよ〜
早く一緒に土方さん虐めやしょうぜ?」
……前言撤回。
こいつは仔犬じゃねェ。
仔犬の皮被った悪魔だ。
だが、総悟の声音はどこか悲しげだった。
_______アイツのこと、思い出しちまったのか…
俺は無言で総悟の頭を撫でてやった。
次いで山崎が、総悟を安心させるような優しい声でAに呼びかけた。
「Aさん…辛かったら俺達に言って下さいね…何でも相談してくれていいんですから…」
山崎が言い終えると…
ふわり。
Aの長い睫毛が上を向き、青紫色の瞳が
その光を取り戻す。
「……3人共…心配お掛けしてすみません…」
少しだけ…少しだけ眼を細めてAは言った。
途端に、安心したのか総悟と山崎が泣き出す。
「…グスッ…ぅ…っ…A姉さん……ッ…
もう…死んじゃうの…かと…っ思いやした…」
「良かったぁ…っ…Aさん…ほんとに良かった…」
そんな2人を、Aは優しく見つめていた。
……何はともあれ、良かったな…
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作者名:祐衣ヾ(*ΦωΦ)ノ土方love | 作成日時:2017年8月3日 15時