純情わたがしとの付き合い方【赤緑】

答え合わせ1 ページ7

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渋谷side



｢ハンバーグと、唐揚げ、カレー、ナポリタン！あとは〜…食後にチーズケーキとバナナパフェお願いします｣


ほら、マルも何でも言えよって、なんでお前がドヤ顔やねん。


｢え！横山さんありがとうございますぅ｣


いや、お前も礼言うんはヨコやなくて俺にやろ。


丼物ばっかり頼んでる丸山は、底抜けにアホなんやとしか思われへん。


｢あの、渋谷さん…｣


ほら。お前らがアホみたいに頼むから、大倉が自分はどうしたらいいんか分からんくなって、困り顔で俺の顔覗き込んできて…可愛いやんけ。


腹立つはずやのに、大倉のおかげでチャラやわ。結果オーライやったな。


｢こいつら気にせんと、大倉も好きなん頼んだらええねんで？｣


なんて、優しく言うたんやけど


｢でも、渋谷さんが悪い訳ちゃうのに…｣


って、ますます落ち込んでもうた。


そうは言っても、大倉が悪い訳でもない。


むしろ、悪いのは俺やと思う。


｢大倉、気にすんなって。今回悪かったんはすばるやねんから。自分の気持ちも、大倉の気持ちにも疎かってんから｣


いや、それは分かってる。


分かってるけど、ヨコにここまで偉そうにされるのも心外やねんけど。


｢大倉とすばるがこうやって付き合えるようになるのに、俺もマルも苦労したもんなぁ｣


｢ごめん…横山くん｣


ああ、もう。


ヨコの余計な一言のせいで大倉が落ち込むのもいらんし、さりげなく大倉が“横山くん”って呼んでるのを目の当たりにしたのも腹立つ。


呼び方一個に執着してる俺も、なんや情けなく感じるし。


俺ってここまで心狭かったんかな。



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